城内実 経済財政担当相は10月31日の記者団の取材に対し、経済対策の財源としての国債増発の可能性について、「財政の信認が揺らがない限りあらゆる手段を使えばよい」と述べた。ロイター通信などが伝えた。
城内氏は日本経済が長期停滞している最大の要因として、デフレ下における緊縮的な財政政策の繰り返しを挙げ、「責任ある積極財政」を推進し、2~3%程度の健全なインフレ率達成や消費者購買力向上を目指している。
高市早苗政権は「責任ある積極財政」を掲げ、官邸主導の政策運営を強化。大規模な補正予算の検討を始めており、需給ギャップを超える高圧経済政策を目指している。給付付き税額控除の導入や所得税基礎控除引き上げで現役世代・中間層家計を支援し、投資を促すための成長戦略や賃上げを重要視している。
ブルームバーグによると「財政健全化との両立」を図っていく方針を打ち出している片山さつき財務大臣も、24日、経済対策の策定に伴う今年度補正予算について、税収の上振れや歳出の不用などで捻出するとしつつ、財源が足りなければ国債を増発して対応する考えを示している。
プライマリーバランス(PB)の黒字化を絶対視する石破政権時とは違い「財政の帳尻を合わせる」ことだけではなく、「成長する日本を将来に残すこと」、「純債務の対GDP比」を緩やかに引き下げていく形で維持する考えを示した。城内氏ら積極財政派と連携しつつ、財政の信認維持を前提に柔軟に政策を運営する可能性が高い。
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