平成11年(1999年)に始まった自民党と公明党の連立政権が、26年の時を経て幕を下ろした。10日午後、国会内で会談した公明党の斉藤鉄夫代表は、自民党の高市早苗総裁に対し、連立から離脱する方針を正式に伝達した。
斉藤氏は会談後の記者会見で、「政治とカネに関する基本姿勢で意見の相違がある。国民の政治への信頼が大きく損なわれた」と指摘。そのうえで、首相指名選挙では「斉藤鉄夫」と記し、野党には投票しない考えを明らかにした。
公明党が求めた「企業・団体献金の抜本的な規制強化」に対し、「自民党の回答は『これから検討する』という不十分なもので極めて残念だ」とし、自公連立政権は「いったん白紙とし、これまでの関係に区切りを付けたい」と述べた。
一方、高市氏は会談前日の段階で「自公連立は基本中の基本だ」と強調した。さらに「斉藤代表から連立の解消という話はいただいていない」と語り、政権維持への強い意欲をにじませていた。
しかし、公明側が最終的に「信頼回復は程遠い」との判断を下したことで、四半世紀にわたる連立の枠組みは事実上、終止符を打たれた。
15日に予定される首相指名選挙では、自民党の高市早苗総裁が引き続き首相候補として擁立される見通しである。ただし、公明党の連立離脱により、投票の行方は不透明になる。
立憲民主党は泉健太代表を、日本維新の会は馬場伸幸代表をそれぞれ候補に擁立する方針だ。さらに、立憲・維新・国民民主の一部が「反自民」連携を形成する可能性もある。
衆議院での優位を保つ自民党に対し、参議院では野党勢力が結束して対抗する構図が浮かび上がっている。一方、玉木雄一郎代表は野党統一候補への参加を明確に否定し、独自路線を強調している。
自民党内には「衆院での優越により最終的には高市首相が続投する」との見方が強い一方で、連立崩壊によって政権運営は不安定化するとの懸念も根強い。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。