中国共産党内の権力闘争が一層激化するなか、中国共産党(中共)の公式発表により、第20期第4回中央委員会(四中全会)の開催日程が決定した。しかし、外部で注目を集めているのは、粛清された高官の最終的な処遇と、党首・習近平の行方である。
中共の機関紙・新華社によれば、中央政治局は9月29日に会議を開き、四中全会を10月20~23日まで北京で開催することを決定した。
香港メディア「星島日報」は29日、昨年11月に失脚し、すでに中央軍事委員会委員を免職された元軍委政治工作部主任の苗華上将について、犯罪容疑が近日中に公表される見通しであり、四中全会で政治局により党籍剥奪処分が正式に決定する可能性があると報じた。
また、すでに全国人民代表大会の代表職を解任された元武警司令員の王春寧上将や、元軍委後勤保障部部長の張林中将についても、党籍剥奪処分が四中全会で正式に決定すると予想している。
時事評論家の岳山氏は大紀元に対し、「中共が発表した今回の四中全会の主な議題は『第15次五か年計画』の審議であるが、これはあくまで手続きにすぎず、実際には政権の不安定さを覆い隠すためのカモフラージュである。本当に注目すべきは、党内権力闘争の進展である。会議の前後に、習近平側近の最終的な処遇が明らかになるか、あるいは習近平自身の権威が揺らぐのかが焦点となる。元軍委政治工作部主任の苗華の事件がその一例であり、罪状の公表や党籍・軍籍の剥奪、階級のはく奪といった措置の表現に注目する。これは以前の房峰輝や張陽のケースと比較可能である」と述べた。
岳山氏はさらに、「何衛東の案件が公表されるかどうかは依然として不透明である。彼は長期間消息を絶っており、苗華の案件と比べても当局の発表の扱い方が異なる。もし四中全会で何衛東に言及がない場合は、党上層部での権力争いが続いており、決着がついていないことを意味する」と語った。
加えて同氏は、「処分が発表される可能性のある将官は他にも存在するものの、うわさのリストは長く、全員が公表されることはないだろう。いずれにせよ、彼らは皆習近平自身が登用した人物であるため、今回の事態は中共の官僚社会に大きな衝撃を引き起こすことになるだろう。当然のことながら、習近平の権力基盤に揺らぎが生じている可能性も否定できない」と指摘した。
政治局・軍事委員会の人事刷新
一方、時政評論家の陳破空氏は以前、大紀元に対し次のように語っている。「中共四中全会における主な注目点の第一は、習近平が三つの要職のうち一つ、あるいは二つ、もしくはすべてを手放すのか、または政治局常務委員から退くかどうかである。想定される行動は、権力を譲っても役職を保持し続け、体面や地位を保持しようとすることである」と述べた。
第二の焦点は、政治局の現有24人のうち女性が一人欠けている点である。さらに何衛東の失脚で一人減っており、後任人事が求められている。また、政治局内の習の側近である馬興瑞も失脚した可能性を指摘する。
第三の焦点は、中共中央軍事委員会の人員補充である。現在7人のうち3人が欠員となっている。
第四の焦点は、国務院の国務委員5人のうち2人が欠員であること、さらに外交部長と国防部長が空席となっており、これも主要議題に含まれる。
陳破空氏は「今回の四中全会では表向きには経済や社会問題が議論されるが、実際に最も重要なのは高官人事の問題である。不完全な政治局や軍事委員会の状態を『第21回党大会』まで先送りすることは不可能である。高位人事の大規模刷新が実現するか否かは、習近平が『権力を譲って役職も手放す』のか、『権力を譲っても役職は維持する』のかにかかわらず、習近平にとって大きな痛手となる」と述べた。
習近平後継者問題とは
さらに陳破空氏は、「五つ目の注目点は、習近平の後継者が現れるかどうかである。例えば丁薛祥、胡春華、陳吉寧らが候補に取り沙汰されている。もし後継者が発表されれば、習近平が『第21回党大会』で退任することを意味する。逆に後継者が明らかにされなければ、習近平は依然として長期執権や影響力維持の野心を持ち続けていることになる。ただし、習近平の体力および権力基盤の低下により、長期間地位にとどまる可能性は大きく低下している」と強調した。
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