台湾の名門、国立政治大学は9月21日に「安倍晋三研究センター」を発足させた。故安倍元首相の名前を冠した研究機関は世界初となる。
式典には、頼清徳総統や政権幹部、安倍氏の妻昭恵さん、自民党の甘利明元幹事長、西村康稔元経済産業相、萩生田光一元政調会長らが出席した。
昭恵さんが最高顧問を務める。同センターの発足日は、安倍氏の誕生日(1954年9月21日)にあたる。
頼氏は、「中国の軍事拡張に直面しながらも台湾が現在も平和を享受できているのは、安倍元首相の先見性のおかげだ」と述べ、安倍氏が亡くなったことについて「日本のみならず台湾や世界全体の損失だ」と語った。
また頼氏は、2016年と2018年に発生した台湾での地震の際に支援を提供したことや、中国共産党政権が禁輸措置を取った台湾産パイナップルを安倍氏がX(旧Twitter)で自らPRしたことなどにも言及し、謝意を示した。
研究センターでは、安倍氏が提唱した外交方針「自由で開かれたインド太平洋」構想や、経済政策「アベノミクス」を中心に、現代日本の外交や経済政策についての学術的な研究、知日派の育成が行われる。
台湾では、安倍晋三元首相の死去後、各地で顕彰の動きが広がっている。
高雄市鳳山区の紅毛港保安堂には「台湾永遠的朋友(台湾の永遠の友人)」と刻まれた銅像と追憶庭園が整備され、台北101では「台湾の友 安倍晋三ありがとう」といった追悼メッセージが点灯されるなど、公共空間での追悼も行われた。さらに台南市では「安倍晋三記念館」の建設計画が進められており、昭恵氏が館長を務める予定で、日台の友好を象徴する施設として注目されている。
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