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アフガニスタン東部でM6.0地震 死者622人 深夜の惨事

2025/09/01
更新: 2025/09/01

8月31日深夜、アフガニスタン東部パキスタン国境付近でマグニチュード6.0の地震が発生し、622人が死亡、1500人超が負傷した。余震と厳しい自然環境が救援活動に影響し、現地では不安が高まっている。

米国地質調査局(USGS)によると、地震の発生時刻は現地時間8月31日午後11時47分で、震源はナンガルハル州ジャララバードの北東約27キロ地点とされ、震源の深さは8キロメートルと浅く、約50万人が強い揺れを体感し、特に構造の脆弱な建物が大きく損壊した可能性が高い。発生から約20分後にもマグニチュード4.5、さらに5.2の余震が観測され、いずれも震源の深さは10キロと報告されている。夜中の突発的な災害により、多くの住民が避難に遅れ、被害の拡大につながった。

被害の拡大

タリバン政権の当局者は、少なくとも622人の死亡と1500人以上の負傷者を確認したと発表。深夜の発生で多くの住民が避難に間に合わなかったため、今後さらに犠牲者が増える恐れがある。ナンガルハル州衛生当局の初報では、死者9人、負傷者25人とされていたが、被害状況が明らかになるにつれ数字は増加した。

首都カブール在住の41歳、アフマド・ザミールさんは、震源から160キロ以上離れた自宅でも強い揺れを感じたと語った。周辺住民は恐怖に駆られて一斉に屋外へ避難し、集合住宅の住人も窓ガラスが割れるのを恐れて、叫び声を上げながら外へ逃げ出したという。

地震と地形の危険性

アフガニスタンはインドプレートとユーラシアプレートが交差する断層地帯に位置し、地震の発生リスクが高い。東部は山岳地帯が広がり、土砂崩れなどの二次災害が懸念され、救助活動の妨げとなっている。

緊急対応と救援活動

タリバン政権は地震発生直後から緊急救援活動を開始し、国際機関にも支援を要請した。保健省のシャラファット・ザマン報道官は「被災地は山間の遠隔地が多く、人的・物的被害の全容把握には時間を要する」と説明している。一方で、数百人規模の救護班が動員され、被災者支援に全力をあげている。

政府報道官ザビフラ・ムジャヒド氏はSNSを通じて、「現地の行政、住民、首都や近隣州からの応援部隊が集合し、救援活動にあたっている。すべての資源を復旧と支援に投入している」と述べた。

米国地質調査局の警報と今後の警戒

USGSのPAGERシステムは今回の地震に「オレンジ警報」を発令し、数百人規模の死者と広範囲にわたる被害を警告している。「今後は大規模地域や全国レベルの対応が不可欠だ」と指摘。過去にも同規模の地震が起きた際は全国的な災害対策が求められた。

昨年10月にもアフガニスタンでマグニチュード6.3の地震が発生し、激しい余震の影響でタリバン政権の推計によれば約4千人が死亡。近年最大級の地震被害となった。今回の震災も規模や被害においてそれに迫る大惨事となる恐れがある。

曾子衡