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マスク氏のxAI 元中国人エンジニアを訴訟 競合OpenAI転職直前に機密持ち出しか

2025/09/01
更新: 2025/09/01

イーロン・マスク氏が設立したAI企業 xAI は、元エンジニアの リ・シュエチェンを相手取り、営業秘密を盗み出して競合の OpenAI に提供したとして、米カリフォルニア州の連邦裁判所に訴訟を起こした。

米メディアの報道によると、xAIは8月28日に訴状を提出した。訴えによると、リ・シュエチェンは ChatGPTを上回るとされる最先端のAI技術を含む機密情報を不正に取得し、競合他社のOpenAIに提供した。訴状では、盗まれた機密技術がOpenAIや他の競合に対し、数十億ドルの研究開発費や数年分の開発時間を節約できる可能性があるとしている。

リは中国出身で、スタンフォード大学でコンピューターサイエンスの博士号を取得した。2024年にxAIへ入社し、対話型AI「Grok」の開発に携わっていた。

xAIによると、リはブラウザ履歴やシステムログの削除、ファイル名の変更や圧縮といった方法で不正行為を隠蔽しようとしたとされる。また、社内会議で 資料を持ち出したことを認めたという記録も残っている。

リは7月末に退職し、8月19日からOpenAIに転職する予定だった。退職時には「会社の資産を返却し、データを削除した」と記した書面に署名したが、xAIはこれらの記述をは虚偽だと主張している。

さらに、リは退職直前に 約700万ドル(100億円超)のxAI株式を売却していたことも明らかになっている。

xAIは裁判所に対し、損害賠償に加えて、リがOpenAIで業務に従事することを禁じる差し止め命令を求めている。

この訴訟は、生成AIをめぐる技術競争の激化と、AI人材の争奪戦が一層激しくなっていることを浮き彫りにしている。

張婷