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新型コロナmRNAワクチン アメリカで公的な再検証へ

2025/08/30
更新: 2025/08/30

■論評
アメリカ疾病対策センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)が、新型コロナワクチンについての詳細な審査を開始した。作業部会はMITのレツェフ・レヴィ氏が主導し、ロバート・マローン博士も参加している。

すでに同部会は、ワクチン業界全体への信頼に悪影響を及ぼしてきた新型コロナワクチンに関する疑念の多くを網羅する、深い問いを数多く準備しており、それには子供への定期予防接種スケジュールの順守に関する問題も含まれている。

新型コロナワクチンの導入当初から、最も広く配布された製品に用いられた新技術については、絶えず疑問が投げかけられていた。これらのワクチンは、脂質ナノ粒子を介して送達されたmRNAを用い、ウイルスのスパイクタンパク質を生成して免疫反応を誘発する仕組みだった。緊急事態下であったため、承認は通常の基準を迂回して行われた。

効果に関する疑問は、早い段階で「ブレークスルー感染」が頻発し増加したことによって答えが出ていた。つまり、このワクチンは感染拡大を阻止できないことが明らかだったのである。

その効果は短期間しか持続せず、ウイルスの変異によってさらに低下した。大衆の疑念は、当局による数百万人規模の義務化によって押し切られた。追加接種を次々に展開したが、製品は変異のスピードに追いつくことはできなかった。

これらすべては、当時大統領や公衆衛生当局者が繰り返し主張していた、「接種すれば感染から守られる」という誇張された約束と矛盾していた。国民を安心させるために、歴代大統領の3人までも動員した。しかし彼らの言葉は明らかに事実ではなかった。やがてデータは、接種によってむしろ感染する可能性が高まるという負の有効性さえ示し始めた。

免疫学の文献を初歩的に学んだだけでも、この結果は容易に予測できたはずだ。安定したウイルスにはワクチンが有効だが、動物にも存在し変異を繰り返すウイルスには有効ではない。これが、一種のコロナウイルスである風邪に対するワクチンが存在しない理由だ。

さらに、パンデミックをワクチンによって収束させようとする試みには、多くの危険が伴う。変異を加速させる可能性があるだけでなく、免疫系を危険な形で書き換え、人々をこれまで以上に病気にするからである。

これらはすべて、当初から予見可能なことだった。未知だったのは安全性の問題である。急増する副反応報告、突然死に関する逸話から兆候が現れ始めた。主流ソーシャルメディアは、この話題に関する議論を次々と遮断・検閲したが、それがかえって疑念や不信を煽る結果となった。接種開始後の死亡率が前より高いことを示す研究が次々と出てくるにつれ、徹底した調査を覆い隠すことは不可能になった。

2024年のトランプ氏当選後、公衆衛生全体の信頼性が問われるなか、ロバート・ケネディ・ジュニア保健長官は諮問委員会を全面的に再編し、製薬会社との利害関係を持たない専門家を加えた。

6月に開かれた初会合は、CDCの委員会が提示した報告に対して疑問が投げかけられた、記憶に残る最初の場となった。特にレヴィ氏は、承認が容易に進むと予想していた乳児向けRSVワクチン(RSウイルスに対する母子免疫ワクチン)に安全性の懸念を指摘し、反対票を投じた。

RSVの問題については後ほど詳しく触れるとして、まずは新しいCOVID-19作業部会が発表したリストを見てみよう。これらは、彼らが検討する課題である。

・アメリカで承認または認可されたCOVID-19ワクチンの安全性、有効性、および免疫原性に関する既存のデータ、発表済みおよび未発表の研究、臨床知見を評価し、要約する。

・COVID-19疾患およびSARS-CoV-2ウイルスの疫学に関する文献レビューを要約する。

・他の予防接種と同時にCOVID-19ワクチンを接種する際の利益とリスクのバランスを評価する。

・COVID-19ワクチンの接種に関する推奨を情報に基づいて行うために、追加のデータや研究が必要な分野を特定する。

・COVID-19ワクチン接種の推奨を策定する。

・既存の臨床・科学的情報と知識のギャップをレビュー・要約する。必要に応じて、食品医薬品局(FDA)など他の連邦機関から得られる情報も含め、スパイクタンパク質、mRNA、および脂質ナノ粒子の体内分布、薬物動態、持続性に関する情報を活用して、ワクチン接種の推奨に役立てる。

・既存のワクチン製品における潜在的な不純物(例えば、DNA汚染やエンドトキシン)とそれらの健康影響に関する既存の臨床・科学的情報(必要に応じてFDAなどの連邦機関からの情報を含む)および知識のギャップをレビュー、要約し、ワクチン接種の推奨に役立てる。

・繰り返しの追加接種(ブースター)がもたらす累積的な短期および長期の影響、ならびに非特異的影響(例えば、IgG4クラススイッチング、免疫の刷り込み、部分的なワクチン接種下でのウイルス進化)に関する既存の科学的知見と知識のギャップをレビュー、要約し、ワクチン接種の推奨に役立てる。

・COVID-19ワクチン接種がCOVID-19および全死亡数、入院、障害に与える影響を検討し、ワクチン接種の推奨に役立てる。

・COVID-19ワクチン接種によって引き起こされる可能性のある心血管系、血栓性、神経系、免疫系およびその他の重篤な副反応に関する既存のデータと科学的知見を分析する。

・COVID-19予防接種製品およびCOVID-19感染に関連する、長期的なCOVID-19影響に関する科学文献および臨床経験から得られるデータ、情報、知識のギャップを評価・要約し、政策決定に役立てる。

・世界各国のCOVID-19ワクチン接種政策を整理し、それらがアメリカの政策とどのように比較されるかを示す。

・妊娠中のCOVID-19ワクチン接種の安全性に関する既存のデータおよび科学的知見を分析する。

科学ジャーナリストのメアリーアン・デマシ氏とのインタビューで、レヴィ氏はさらに次のように説明した。

「私たちはどんな小さな情報も見逃さず、FDAからCDCまで、発表済み・未発表の文献、患者のケアにあたる臨床医の経験、さらには患者自身の経験に至るまで、あらゆる可能なデータを検討する。私たちは、知っていること、知らないことについて完全に透明である必要がある。残念ながら過去にはこれが一貫して行われていたわけではない。私の意図は、それを変える一助となることだ」

ケネディ氏自身がmRNA研究の22件の契約を取り消した際に指摘したように、検討対象となる研究のリストは現在、数千件に及んでいる。さらに、国立衛生研究所(NIH)所長のジェイ・バタチャリヤ氏は、mRNA技術には実質的な将来性を見出していないと述べた。

それにもかかわらず、依然として残る疑問がある。なぜ当局は、効果と安全性の記録がこれほど乏しいワクチンを推奨し、義務化したのか? なぜ通常の審査基準がそれほどまでに徹底的に踏みにじられることになったのか? そして、被害者に対して何か補償が行われるのか?

これは非常に大きな問題である。なぜなら、メディアや政府がワクチン接種の個々の生活への影響に関する十分な情報なしに接種を強く推進した方法は多岐にわたるからである。都市はワクチン接種状況によって分断され、企業は破綻した。多くの人々が従わなかったことで職を失った。前例のない大変動だった。

もし今回の全体的な取り組みが欠陥のある試験に基づいていたことが判明すれば、大きな問題である。社会の指導的地位にある人々が信用を失うことで、世代を超えて人々は再び信じなくなる可能性が高い。そのため、多くのことが危機にさらされている。

すでに、科学的検証をより詳しく行う取り組みは、真に衝撃的な事実を明らかにしている。論争となっているRSVワクチンのさらなる調査では、試験結果を操作していたことを示している。

被験者をグループに分け、安全性の警告信号を埋もれさせる手法が取られ、特定の結果を得るために試験期間を短縮していた。製造者は死亡例の証拠さえ脚注に押し込み、報告を最小化するために本来の研究計画を無視し、都合よく手続きを変えた。これにはマローン氏も堪えられず、もしやり直せるなら自分の投票を取り消すと投稿したほどであった。

「ACIPのメンバーは、会議の前日にこれらのデータおよびその他すべてのデータやプレゼンテーションが提示され、提供された情報をすべて精査したり調査したりする機会はほとんどなかった」と彼は書いている。

「推定として、提示される情報はCDCおよび退任するACIP RSV小委員会(再編された新ACIPのメンバーとして1名が参加していた)の徹底的な精査を経ていると考えられていた。私たちには質問する理由も機会もなかった。それでも、一部のメンバーはデータの傾向に不安を感じていた。私は提示された情報と論理に基づいて、その決議に賛成票を投じた。しかし、提示されたデータに対する信頼は、結果的に軽率であったようだ。今後、私自身の見解として、これらの調査結果に基づき、ACIPに提出されるCDCのサマリーが透明で正確かつ偏りのないものであると信頼することはできなくなるだろう」

大局的に見れば、これまでほとんど疑問視されることのなかった多くの医薬品が、データ操作やずさんな研究計画、さまざまな利害関係の発覚により、新たな精査の対象となっている。

これはイデオロギーの問題ではなく、事実に基づく問題である。これから明らかになることは、公衆衛生の名の下で行われてきたことに対して、実際には公衆衛生とは程遠い行為であるという点で、さらに国民の警戒心を高めることになるだろう。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
ブラウンストーン・インスティテュートの創設者。著書に「右翼の集団主義」(Right-Wing Collectivism: The Other Threat to Liberty)がある。