スウェーデンの家具大手イケアの日本法人、イケア・ジャパンは、都市型店舗の「IKEA原宿」と「IKEA新宿」を2026年初頭に閉店すると発表した。両店はコロナ禍の2020年6月8日と2021年5月1日にそれぞれ開業し、都心の新たな顧客層を取り込んできたが、今後は「IKEA渋谷」を中核拠点とし、オンライン販売や商品受取りセンターを組み合わせたオムニチャネル(顧客に対してもつすべてのチャネルを統合し、購買体験を最適化するマーケティング戦略)戦略を強化する。
イケアは日本市場に約20年間展開してきた。現在は全国に10の大型店や商業施設内店舗、470か所以上の商品受取りセンターを運営し、EC(電子商取引)やアプリを通じた販売チャネルの拡大も進めている。
しかし、国内の収益状況には課題も残る。イケア・ジャパンが発表した2024年8月期(第23期)決算によると、売上高は952億7900万円(前年同期比+0.86%)と微増したものの、純損益は16億2100万円の赤字に転落した。コスト構造の見直しやデジタル強化が進む一方で、都心型店舗の効率性や事業収益性が改めて問われている。
今回の閉店について、イケア・ジャパンのペトラ・ファーレ社長は多様化する顧客ニーズに応えるとともに、持続可能な成長に一層注力するため、首都圏での事業を最適化することを決断した」と説明。今後は渋谷を軸に首都圏の既存店舗やオンラインサービスを組み合わせ、利便性の高い買い物体験を提供していく考えを示した。
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