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激変する中国 届かぬ補償 黙殺される声

中国製コロナワクチン接種後に白血病を発症 治療も受けられず投獄された中国の女性

2025/08/17
更新: 2025/08/17

病と闘うべき人が、なぜ獄中にいるのか。

中国・山西省晋中市で、中国製新型コロナワクチン接種後に白血病を発症した女性・趙雅静(ちょう・がじょう)さんの釈放を求める署名活動が広がっている。

趙さんは2021年、地元政府の強制により中国科興(シノバック)製ワクチンを2回接種。その後、急性骨髄性白血病を発症した。夫と共に治療費を巡って陳情を続けたが、当局から「騒乱挑発罪(中国語:尋衅滋事罪)」で起訴され、昨年11月に懲役2年9か月を宣告された。拘束からすでに7か月以上が経過し、体調は急激に悪化しているという。

 

趙雅静さん。(スクリーンショット)

 

趙さんは家族に「もう薬がない。できるだけ早く送ってほしい」と訴えている。しかし当局は「病状は安定している」と主張。これに対し夫の王宏芸(おう・こうげい)さんは「薬をまともに服用できないのに体調が安定しているはずがない。彼らは妻を死に追いやり、責任を逃れようとしている」と強い疑念を抱いている。

趙さん夫妻は2020年に結婚し、当時は健康に問題はなかった。しかし接種後に生活は一変。治療費はすでに60万元(約1,200万円)以上に達し、家や財産を手放して治療に充てたものの、いまは借金に追われている。

趙さんの苦境は特別ではない。全国に同じように声を奪われた被害者がいる。

広東省では、副作用で下半身麻痺となった王海燕(おう・かいえん)さんが補償を求めて生配信したが、開始から10分で強制停止。再開のたびに遮断され、最後は警察が家に押しかけた。

 

王海燕さん。(スクリーンショット)

 

北京のコロナワクチン被害者・銭大龍(せん・だいりゅう)さんの場合、自宅に警察が繰り返し押しかけ、「SNSで発言するな」と執拗に警告を受けている。

 

(左)「打科兴疫苗脑梗 拒绝偶合(科興ワクチンを打ったら脳梗塞になった。これは偶然ではない、当局が言う『偶発事件』扱いは受け入れない)」と書かれた紙を掲げる銭大龍さん。
(右)銭さんの自宅前で監視に立つ警察。(スクリーンショット)

 

公開されている情報によれば、中国本土では、中国製新型コロナワクチン接種後に死亡したり、心筋梗塞や脳梗塞によって麻痺や障害が残ったり、あるいは白血病を誘発したと疑われるケースを含め、その人数は少なくとも約3,000人にのぼる。現在、表に出て権利を主張している人々は、氷山の一角にすぎない。にもかかわらず、公式機関は一律に「偶発」と片付け、被害者に経済的な補償や支援を一切行っていない。訴えの場もなく、陳情を続ければ当局から容赦ない弾圧を受けるのが現実である。

コロナワクチンの副作用に苦しむ人々は、救済どころか声を上げれば弾圧され、監視と抑圧に直面している。――これが今の中国である。

 

中国各地の新型コロナワクチン被害者たち。公開書簡を発表し、接種後の後遺症や生活困窮を訴え、政府に速やかな補償を求めている。(スクリーンショット)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!