8月15日、第二次世界大戦終結から80年を迎えた「終戦の日」に、東京・九段北の靖国神社は朝から多くの参拝者で賑わった。一般市民に加え、全国から集まった国会議員や地方議員、政界関係者らが相次いで参拝し、英霊を追悼するとともに平和への誓いを新たにした。
閣僚参拝は小泉進次郎農水相のみ
今年の閣僚で靖国神社に公式参拝したのは小泉進次郎農林水産大臣1人である。小泉氏は早朝8時前に神社に入り、玉串料を納めて拝礼した。この参拝は石破内閣発足後、初の閣僚による靖国参拝となった。小泉氏は2020年・2021年の環境大臣時代にも参拝しており、一貫して終戦記念日に靖国を訪れる姿勢を示している。参拝後は記者団の質問に答えず足早に神社を後にしたが、その静かな態度を「政治的パフォーマンスではなく信念に基づく行動」と評価する声がある一方、外交的配慮を欠くとの批判も存在する。
首相は参拝せず、千鳥ケ淵で献花
石破茂首相は靖国神社への参拝を行わず、自民党総裁として私費で玉串料を奉納した。さらに、東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑を訪れて献花し、「戦没者の名誉を守りつつ、国際社会との理解を深めることが重要だ」と述べた。首相は歴史認識をめぐる近隣外交問題への配慮を示した。元首相の岸田文雄氏も同様に参拝はせず、私費による玉串料奉納にとどめた。
超党派議連が70名大規模集団参拝
午前中、超党派議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」所属の約70名が境内に集まり、集団で参拝した。参加者は自民党、日本維新の会、国民民主党、参政党など保守・中道系政党が中心であり、立憲民主党からも数名が加わった。一方、公明党、共産党、れいわ新選組、社民党などリベラル・左派野党は例年通り参加しなかった。
自民党東京都連青年部・青年局も党員や支援者とともに合同参拝を行い、公式SNSで「自由と平和のために命を捧げた先人に深く感謝し、その思いを未来へつなぐ」と発信した。参政党は神谷宗幣代表をはじめ現職国会議員らが党員・支援者とともに靖国神社を参拝した。
主要個別参拝者とメッセージ
高市早苗前経済安全保障担当大臣は、午前中に「衆議院議員 高市早苗」と記帳し、私費で玉串料を納めて参拝した。春秋の例大祭や終戦記念日に欠かさず参拝しており、「国の繁栄と平和を願う、変わらぬ祈り」と述べた。
小林鷹之元経済安全保障担当大臣は祖父が中国戦線で戦死した遺族として参拝し、「平和を守り抜く覚悟を新たにした」と語った。
萩生田光一元政調会長は保守的立場から靖国参拝を続けてきた議員の一人である。
森山裕自民党幹事長は8月14日に参拝し、静かに祈りを捧げた。
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