最近、中国とロシア両国海軍が日本海で合同軍事演習を行い、「敵の潜水艦」を撃破する訓練を実施した。専門家は、これは明らかにトランプ米国大統領による最新の軍事配備を意識したものだと指摘している。7日には、ウクライナ国会の超党派議員団が20年ぶりに台湾を訪問し、英国のジョンソン元首相も5日に台湾を訪問した。
ロイター通信は6日、ロシアと中共が日本海で演習を行った後、両国海軍艦艇がアジア太平洋地域で合同パトロール活動を開始すると報じた。
中共とロシアの海軍は1日から5日にかけて日本海で合同演習を実施した。報道によれば、演習の最終段階では、ロシア側が大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」とフリゲート艦「グロムキ-」を派遣し、中共側は駆逐艦「紹興」と「ウルムチ」を投入して実弾訓練を行った。乗組員たちはまた、敵潜水艦を想定した標的の探索と破壊を訓練した。
台湾国防院・中共政軍および作戦概念研究所所長の洪子傑氏は次のように述べた。
「中露『海上連合』シリーズ演習は2012年以降、両国の定例軍事演習となっている。しかし今回は従来と異なり、初めて中共の潜水艦が参加し、ロシア太平洋艦隊のウラジオストク基地に停泊した」と述べた。
これより前に、トランプ大統領は米原子力潜水艦2隻を「ロシアにより近い場所」に配備するよう命じたと発表し、ロシア前大統領メドベージェフ氏による核戦争リスクを煽る発言に対応した。
ロシア側は、防御的な演習であり、特定国を標的にしていないと表明したが、台湾国防安全研究院戦略・資源所所長の蘇紫雲氏は、中共とロシアは明らかに米国を意識していると考えている。
蘇氏は、「しかし今年は明確に対象を定めていて、対潜水艦の訓練項目を拡大し、敵潜水艦撃沈まで宣言した。これはトランプ氏が2隻の戦略原子力潜水艦をロシア近海に配備したことへの示威だ」と述べた。
国際社会は台湾海峡の安全に注目しており、7日にはウクライナ国会超党派議員団が20年ぶりに台湾を訪問し、中華民国の頼清徳総統と林佳龍外交部長がウクライナ議員団と会見した。
頼清徳総統は、「台湾とウクライナは距離は遠いが、自由、民主、人権の価値をともに追求し、第一線で権威主義勢力の拡張に共同で対抗している」と述べた。
ウクライナ議員のミコラ・クニツキー氏は3度目の台湾訪問で、歴史的瞬間だと述べ、台ウ関係が両国発展に重要であると強調した。
クニツキー氏は、「台湾も中共の権威主義的拡張を拒み、台湾の人々が自由で人権が尊重される国に生きたいという願いを押さえ込もうとする試みに抵抗している。台湾の自由への侵害や攻撃は、いかなる形でも容認できない」と述べた。
台ウ双方は、政府・国会・産業・民間のあらゆる交流分野が今後大幅に向上することを期待している。
英国のジョンソン元首相が台湾を訪問し、4日にケタガランフォーラムで演説を行った。演説では中共による台湾への威圧や、毎日多数の軍用機や艦船を派遣して挑発や武力行使の宣言をしていることを非難した。
ジョンソン氏は、「ここは自由な国であり、誰もが法の下で平等に保護されている。なぜ台湾を征服しなければならないのか。この島が中国本土にどんな想像上の脅威をも与えていないことを知っているではないか。本当にこれほどまでリスクを冒す価値があるのか。北京よ、本当に価値があると思うのか」と問いかけた。
ジョンソン氏は、国際社会で台湾海峡問題に言及する国が増えていると指摘し、英国のヒーリー国防大臣が最近「英国は準備ができている」と公言したことにも触れた。
その後、ジョンソン氏は総統府を訪れ、頼清徳総統と会見し、「台湾は民主主義の最前線に立っている」と述べた。
ジョンソン氏は、「これは世界全体にとって極めて重要な瞬間だ。不確実性に満ちた時代に、台湾は、今日頼総統が述べたように、自由・民主主義と権威主義が競い合う決定的な戦場の最前線にいる」と語った。
ジョンソン氏は、サッチャー元首相、トラス元首相に次ぐ3人目の英国元首相として台湾を訪問した。ジョンソン氏は首相在任中、トランプ大統領とたびたび会談し、「トランプ氏は本質的に台湾を支持している」と述べた。
中国出身の作家である袁紅氷氏は4日、「自由台湾防衛国際義勇軍」宣言を発表し、全世界に中共の台湾侵略に抵抗する国際義勇軍の結成を呼びかけた。
袁氏は、「自由な台湾が中共による独裁から独立し続けることは、中国人民および東アジア大陸の各民族の自由と民主主義の希望を守ることだ。自由な台湾を守り、台湾が中共の圧政から傷つけられないようにすることは、人類の普遍的価値とそれを支える自由民主国家としての政治的道徳の最低線を堅持することでもある」と述べた。
袁氏の宣言は、台湾が中共独裁と闘う自由世界の最前線であり、台湾が陥落すれば民主主義の防衛線が全面崩壊し、東アジア全体、世界の自由秩序にも影響が及ぶと指摘した。
中華保台反中共復国党書記長の程凱力氏は、「中共は台湾に混乱をもたらし、浸透や統一戦線工作、買収を行う最大の混乱の源だ。この乱源を排除しなければ、たとえ台湾内部でどれほど努力して自身を守ろうとも、暴力的な組織が毎日台湾を狙い、仕掛けてくるだろう」と述べた。
国内外の反中共勢力に結集を呼びかけ、対立を解消し、一体となって中共の脅威に立ち向かい、党派を問わず台湾の民主自由を守るよう訴えた。
最近、台湾では中共の台湾侵攻をテーマにした注目のテレビドラマ『ゼロ日攻撃』が8月2日から放映を開始した。
先日、台湾の蔡英文前総統はコペンハーゲン民主サミットで基調講演を行い、国際社会が台湾の存在を重視する必要性と、台湾のレジリエンスが中共の野心を牽制できると強調した。同サミットでは台湾海峡戦争を描いたドラマ『ゼロ日攻撃』も上映された。
蔡氏は、「隣国は常態化したネット攻撃、ハッカー行為、軍事演習を通じて、台湾の人々は恐怖に屈する、あるいは慢心するだろうと思っている。しかし台湾ではそうではない。台湾の人々は自らの経験に基づき、自らのレジリエンスを築いている」と述べた。
蔡氏は、台湾は戦略的パートナーシップを通じて民主安全の生態系を構築し、台湾民主主義の持続的発展を中共の脅威下でも実現していると強調した。
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