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タイ・カンボジア国境で衝突激化 外務省が「渡航中止勧告」発出

2025/07/28
更新: 2025/07/28

外務省は7月25日、タイとカンボジアの国境地帯で続く軍事衝突の激化を受け、両国の国境付近に対し危険情報をレベル3(渡航中止勧告)に引き上げた。これにより、国境周辺の特定地域へのあらゆる目的での渡航を控えるよう、強く呼びかけている。

外務省が発表した内容によれば、7月24日以降、タイ北部および南部の国境地帯では、領有権を巡る争いが激化したことをきっかけに、タイ・カンボジア両国軍による複数回の衝突が発生した。緊張が高まるなかで戦闘は継続しており、双方の発表によるとこれまでに一般市民を含む30人以上が死亡し、数万人規模の住民が避難を余儀なくされたという。

危険情報の引き上げ対象となったのは、タイ側ではカンボジア国境から50km以内のシーサケート県、スリン県、ブリラム県、ウボンラチャタニ県、サケーオ県、チャンタブリ県、トラート県など。カンボジア側では国境から30km以内のウドーミエンチェイ州、プレアビヒア州、バンテアイミエンチェイ州、バッタンバン州、パイリン州、ポーサット州、コッコン州などが対象である。この措置は、不測の事態が今後も発生する可能性が否定できないためだとしている。

現時点で現地に在住する日本人およそ450人に被害は確認されていないが、外務省は引き続き、状況の変化に十分注意するとともに、該当地域には絶対に渡航しないよう強調している。

対立の背景には歴史的な領有権問題があり、タイとカンボジアの国境地帯ではたびたび緊張が高まってきた。双方ともアメリカ・トランプ大統領の呼びかけによる停戦案には合意したとしているが、7月27日時点でも現地の衝突は止んでおらず、予断を許さない状況が続いている。

大紀元エポックタイムズジャパンの速報記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。