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ロシアによる法輪功弾圧を非難 =アメリカ国務省

2025/07/25
更新: 2025/07/25

米国務省は7月24日、モスクワの裁判所が法輪功信者に4年の実刑判決を下したことを受けて、ロシア当局による法輪功への弾圧の激化を非難した。

国務省報道官はエポックタイムズに対し「米国は法輪功学習者を含む宗教的少数派への弾圧を行うロシア政府の行為を非難する」と語った。さらに「ロシアにはすべての人が信教の自由を行使できる権利を尊重するよう求める。すべての宗教的少数派は干渉を受けることなく信仰および集会の自由を享受すべきだ」と述べた。

モスクワの裁判所は前日、2015年に制定された物議を醸す法律により「好ましくない組織」とされた地元の法輪功グループに関与したとして、47歳のナタリア・ミネンコワさんに懲役4年の判決を言い渡した。同法について批評家は、「この法律によって国際的な非営利団体が、政治的な理由で狙い撃ちにされ、訴追されることが可能になった」と指摘している。同じ週の初めにはシベリアの法輪功学習者宅が捜索され、携帯電話やノートパソコンが押収された。

「悪魔との取引」

この弾圧は、中国で1999年以来厳しく迫害されてきた法輪功に対し、近年モスクワと北京が接近するなかで強まっているものである。

ミネンコワさんは歯科機器サプライヤーのアシスタントマネージャーで、2024年5月に拘束された。拘束された時期は、中国共産党党首の習近平がモスクワを訪れる数週間前だった。

クリス・スミス米下院議員は、2023年7月11日にワシントンで行われた「企業の共謀:中国の人権侵害への補助」に関する公聴会で演説した。Madalina Vasiliu/The Epoch Times

米中経済安全保障調査委員会の共同議長であるクリス・スミス下院議員(共和党、ニュージャージー州)は「プーチン大統領と習近平は『便宜的な結婚』を結んだ」と指摘した上で、「ロシアは中国共産党の意向通り、平和的な法輪功学習者への弾圧に加担している。プーチンは悪魔と取引をしたが、それはロシア国民、そして無実のナタリア・ミネンコワさんにとって取り返しのつかない損失になる」と述べた。さらに「いずれロシアはこの便宜的な関係が不幸なものであると気づくだろう」との見解を示した。

米国際宗教自由委員会副委員長アシフ・マフムード氏は「ミネンコワさんら法輪功学習者の有罪判決は、ロシア政府が国内外政策に合致しないとみなした個人への大規模かつ理由なき弾圧の一例だ」と述べ、米国がロシアを「特に懸念すべき国」に再指定し、ロシアで起きている宗教団体への弾圧の実態を世界に強く訴えるべきだと指摘した。

8人の法輪功信者が標的に

ミネンコワさんは2015年法に基づき摘発された8人の法輪功学習者の1人である。同法の下でロシアは法輪功関連の7団体を「好ましくない組織」とし、そのうち5団体が米国に本部を置いている。

ミネンコワさんのほか、シベリア・トムスクのZhu Yunさんは7団体のうちのひとつである米国発の「法輪功迫害調査世界組織」への関与により、6月27日に禁錮3年の判決を受けた。同団体は中国における強制的な臓器摘出活動も調査している。また、南ロシアのピャチゴルスク在住のオクサナ・シェートキナさんも、非営利団体「法輪功の友」との関りを理由に、2024年11月、禁錮2年とされた。

ナタリア・ミネンコワさんは2022年7月5日、ロシアのモスクワにあるデンドロパークで法輪功の瞑想を行っている。The Epoch Times

さらに、現在も拘束中のクラズノダールのミハイル・アントネンコさん、ミハイル・シニツィンさん両氏(現地の法輪大法協会創設者、訴追の脅威のため解散)、モスクワのゲンナディ・パヴロヴィチ・ブスロフさんがいる。

加えて、モルドビアの村民イルダル・マクシニャエフさんは400時間の強制労働刑を、ヤロスラブリのデニス・シーバンコフさんは300時間(控訴審で80時間に減刑)の強制労働刑を科された。

ミネンコワさんの逮捕とほぼ同時期、モスクワ警察は複数の法輪功学習者宅を急襲し、その様子を公式テレグラムチャンネルで公表した。動画では若い男性が地面にねじ伏せられ背中に警察官が乗る様子が映っていた。この男性は法輪功学習者の兄弟であった。

「中国共産党はこれを恐れている」

7月23日の法廷でミネンコワさんは、過去10年間法輪功の修煉を通じて胃腸の疾患、喉の腫れ、慢性扁桃炎、長年喧嘩してきた姉との関係が良好になった経験を語った。そして「私は罪を犯したからではなく、中国共産党政権がロシアに『強い影響力』を持ち、捜査機関や裁判所の手で中国の国境を越えて無実の人を迫害できるからこそ、ここにいるのだ」と述べた。

中国当局による法輪功学習者への弾圧は今もなお続いている。 写真は北京市天安門広場で私服警官によって殴打されている学習者(明慧網より)

「今日私は被告席にいる。私の友人たちは各地で調査対象となっている。私たちが法輪功迫害の真実を伝えているからだ。中国共産党はこれを恐れている」と明かした。

彼女は最後に「私は善を信じて行動したい。宇宙には善を行えば善い結果が、悪を行えば悪い結果がもたらされるという原則がある。それは私たちが信じようと信じまいと働いている原則だ」と語った。

Eva Fu
エポックタイムズのライター。ニューヨークを拠点に、米国政治、米中関係、信教の自由、人権問題について執筆を行う。