日中友好議連会長を務める自民党の森山幹事長は11日午前、来日中の中国副首相・何立峰と非公式に会談を行った。各種報道機関が報じた。
何立峰は、大阪・関西万博の中国の「ナショナルデー」にあわせて来日した。
会談の中で森山氏は、ジャイアントパンダの新たな貸与を要請したと見られる。6月末に和歌山から4頭のジャイアントパンダが中国へ返還され、日本で飼育するジャイアントパンダは東京・上野動物園の2頭のみとなっている。
また、会談では日本産牛肉の輸入停止措置の撤廃やレアメタルの輸出規制の緩和なども協議されたとみられる。
日本産牛肉の輸入停止措置は、中国共産党(中共)当局が2001年から続けている。再開すれば24年ぶりとなる。
パンダの新規貸与をめぐっては、パンダの熱烈なファンもいるものの、「要らない」「高い」などの声も出ている。パンダは中国の動物園から10年以上の長期契約で他国に貸し出すのが一般的であるが、費用の高さが目立つ。
パンダのレンタル料は年間1億円前後かかるほか、飼育費用は数千万円、また死亡時の補償金は約5千万円が必要となる。石原慎太郎元東京都知事は、上野動物園へのジャイアントパンダの貸与について、記者会見で「高い買い物だよ」「法外な値段」「そこまでして見たいかね」と強い難色を示していた。
費用のほかにも、懸念点が存在する。パンダは、中共政権の「最高の外交官」とされ、中共の国際的イメージを高める「ソフトパワー」戦略として利用されている側面が存在する。
政治評論家の三浦小太郎氏は、中共がパンダを利用することで、本来優先すべき人権や環境問題を覆い隠してしまう点を批判する。そのうえ、「パンダという本当に絶滅危惧種の野生動物を、そういう政治や外交とか、もっと言ってしまえばレンタル料とかお金の問題にしている中国政府のやり方が問題」だと指摘した。
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