5月1日、米中央情報局(CIA)は、中共政権に不満を持つ官僚向けに、「私たちは真実を求めている」と呼びかける内容の情報提供を求める(スパイ募集)動画(中国語)をSNSに公開した。
これに対し、中共当局は、約2か月後の6月25日になってようやく公式SNSで反応を示し、「荒唐無稽」「狂ってる」と一蹴したが、ネット民の反応は意外な方向へと向かった。
関連トピックスのコメント欄には「友人が興味あるので、給料いくらか知りたい」「福利厚生は?」「応募条件はなに?どこで申し込むの?」といった応募希望者の質問であふれた。なかには、「銃を支給してくれ、家族の安全を保証してくれるならやるさ!いますぐにでも中国全土に何億もの地下工作員が生まれる」といった本気とも冗談とも取れる声も少なくなかった。
皮肉にも、当局の「アメリカを笑いものにする狙い」とは裏腹に、かえって中国社会に蔓延する不満の可視化につながった。

この現象について、元内モンゴル政府法律顧問室の主任・杜文(と・ぶん)氏は本紙の取材にこう語る。「今の中共内部は圧力鍋のような状態で、もしCIAが家族の安全と生活を保障するなら、多くの高官が集団で投降するだろう」
さらに、元黒龍江省副市長の李伝良(り・でんりょう)氏も「中共官僚の80〜90%は、心の中ではすでに反共だ」と強調した。
中共がどれだけ言論統制を強化しようとも、人々の心までは縛れず、コメント欄に溢れる「本音」は、いまの中国社会に蔓延する不満と絶望を如実に映し出した。
CIAの動画は、民衆の心に潜む「反共」の火種を確実に炙り出し、すでに揺らぎ始めた中共体制に、新たな亀裂を生じさせた。
今の中国では、反共の意志はもはや密かな願望ではない。それは、いつ爆発してもおかしくない「臨界点」に達したのだ。

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