中国江蘇省塩城市(えんじょう-し)にある外国語学校で、中学生がいじめを苦に飛び降り自殺するという痛ましい事件が発生した。
5月7日、遺族は、学校前に横断幕を広げ、跪いて抗議の声を上げた。「子どもを返して!」と泣き叫ぶ家族の姿に、多くの市民が足を止めたが、学校側は、多数の警備員を動員して門を固く閉ざした。
中国各地の学校で、いじめなどが原因で生徒が自殺する事件が絶えず、学校側は往々にして、一貫して「安全管理に問題はなかった」と主張するのが常だ。加害生徒の処分やいじめの実態に関する詳細な説明もなく、遺族は納得できずに学校前で抗議する事態が多発し、そうして、中国では、学校前で遺影を掲げて跪き、泣き叫ぶ遺族の姿が珍しくなくなった。
「学校の沈黙は第二の暴力」と非難の声が広がっているが改善の兆しは全くない。
教育現場のモラル崩壊、制度の形骸化、そして救済されないいじめられっ子の遺族たち──正義なき社会に生きる人々の悲鳴は、今日も校門の外に置き去りにされたのだ。
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