4月25日、中国・広西チワン族自治区南寧市にある職業学校「広西演芸職業学院」の数百の学生は、学校側による虚偽の入学募集と学籍未登録の件をめぐり、校内で大規模な抗議デモを行った。
当初、学生たちは、学校側の募集担当から、「入学して1年間予備課程を受ければ、同校の正式な学籍を取得でき、その後の3年間の専門課程に進むことができる」との説明を受けていた。
しかし、実際には1年経っても国に認められた正式な学籍を得られなかったことが判明し、同学校の3年間の専門課程を学ぶには再度省の統一入試試験を受けなければならなくなった。つまり、1年の時間と学費を費やしたのに、また振出しに戻った形となった。
エポックタイムズの独自取材から、被害を受けた学生の数は、1千人を超えていることがわかった。

学生たちは、学校側の募集担当者が重要な情報をわざと隠し、非現実的な入学保証を与えたと怒り、退学を決める人が続出した。たが、学校側は、学費返還の要求に応じず、現地の教育当局に訴えたが取り合ってもらえなかったのだ。

そのような経緯もあり、業を煮やした学生たちは、団結して大規模抗議行動へと踏み切った。学生たちはスローガンを叫びながら校内デモを行い、副校長を取り囲んで軟禁状態にするなどして学費返還を求めた。事態の深刻化に伴い、学校側は、後にようやく授業料や寮費の返金に応じたという。

お金は返ってきても、学生たちにとっては「白紙の1年」となった。
中国では、教育が本来持つ「育成と啓発」の役割が失われつつあるのだ。
特に一部の学校では、学生を金づると見なす金儲け主義が蔓延し、教育が営利の手段に堕したとき、その代償を支払うのは、未来を託された若者たちだ。国家の土台を支えるべき教育が、今や信頼を失ったビジネスの一形態に成り下がっていた。
(抗議活動当時の様子)
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