日米の関税交渉を17日に控える中、自民党の政務調査会長・小野寺五典氏は13日、トランプ米大統領による関税措置に対抗するため、日本が保有する米国債を報復目的で売却すべきではないと表明した。
米財務省の統計によれば、日本は1兆790億ドル相当の米国債を保有しており、アメリカ以外では最大の保有国である。
小野寺氏はNHKの番組に出演し、「アメリカの同盟国として、政府は米国債を意図的に利用することを考えるべきではない」と述べた。これは、日本政府が保有する巨額の米国債を交渉材料として利用すべきだとする野党議員の提案を退けた発言である。
関税交渉担当閣僚の赤澤亮正経済再生担当相が、4月17日にベッセント米財務長官らと貿易協議を行う予定だ。
また、小野寺氏は日本経済について「円安は物価上昇の要因のひとつとなっている」と述べ、現在の一時的な円高よりも、むしろ円安が経済に与える影響を主因と捉えている姿勢を示した。
「円を強くし、日本の企業を強くしていくことが大事」とも述べ、構造的な強化の重要性を強調した。
今回の日米貿易交渉では、関税や非関税障壁に加え、為替政策といった難題も主要議題となる見通しである。
トランプ氏は2日、各国に対して相互関税政策を発表し、日本への関税率を24%と設定した。しかし9日には、アメリカとの対立を避け、交渉による解決を模索している国々に対し、90日間の関税適用を一時停止すると発表。日本もこの対象に含まれた。一方、中国に対する相互関税は125%に引き上げられた。
7日にはトランプ大統領と石破茂首相が電話会談を実施し、双方が高官級の交渉団を派遣することで合意した。
石破氏は会談後、「報復的な措置は日本の国益に結びつくと考えていない」明言し、アメリカに対して報復関税を課すことはせず、代わりに「包括的提案」を示すことで、日米同盟の価値と日本の対米投資による雇用創出への貢献を強調する考えを示した。
こうした日本側の対応に対し、ベッセント財務長官は「日本は依然としてアメリカの最も親密な同盟国の一つである」と述べ、日本の慎重かつ建設的な対応を評価する一方で、中国共産党の対応を厳しく批判した。「中国政府は、報復措置やこれまでの否定的な行動をさらに強化することで、自らを孤立させている」と語った。
「我々は、関税、非関税障壁、通貨政策、政府補助金などをめぐり、日本との実りある協議を行うことを期待している」とベッセント氏は述べた。
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