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存在しない人物へ支払われた失業給付が5900万ドル 米DOGE調査で発覚

2025/04/12
更新: 2025/04/12

アメリカ政府の効率化を推進する機関「政府効率局(DOGE)」は、2020年以降に支給した失業給付のうち、現実には存在し得ない人物への支払いが相次いでいたことを明らかにした。不正な支給総額は3億ドル(約430億円)を超えており、税金が詐欺に使われた形だ。

DOGEが2025年4月9日に公表した調査結果によると、115歳以上と申告した2万4500人に対して、合計5900万ドル(約90億円)の失業給付を支給していた。また1~5歳の年齢とする2万8千人に、2億5400万ドル(約364億円)を給付していた。

加えて、15年以上未来の誕生日が登録されていた9700人には6900万ドル(約99億円)なかには、2154年生まれとした人物に対して4万1千ドル(約588万円)給付していたケースも確認している。

DOGEによれば、こうした不正の多くは、申請情報に対する基本的な確認作業が行われていなかったことが原因としている。年齢や出生年に明らかな矛盾があっても、そのまま申請は通過し、給付金が支払われていたとみられる。

これらの不正支給は、虚偽の個人情報を使った申請、または既存の制度を悪用した組織的詐欺の可能性も指摘している。米労働省によれば、失業給付詐欺には虚偽の申請や収入の隠蔽などが含まれ、刑事罰や将来的な給付停止といった厳しい制裁を科す可能性がある。

今回の調査結果について、実業家であり政府の特別職員でもあるイーロン・マスク氏は、SNS「X(旧Twitter)」上で「未来に生まれた偽の人々に税金が使われている」と強い懸念を示した。また、「失業給付の対象として1歳や115歳の人物が審査を通っている事実は異常だ」と述べ、制度の抜本的な見直しを呼びかけている。

DOGEはすでにこの問題を受け、無駄な支出を削減すべく100件以上の契約を終了したとしており、今後は失業保険制度全体の精査と再発防止策の強化を進める方針を示している。