トランプ米大統領は26日、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアのプーチン大統領に対して譲歩をしなければならないと期待していると述べた。これは、両国間の戦闘を終わらせるための最終的な合意の一部だ。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、2024年の選挙での勝利がなければロシア・ウクライナ戦争は続き、プーチン氏はウクライナ全土を奪おうとしただろうと語った。
また、トランプ氏はウクライナ人たちが懸命に戦っているものの、アメリカが戦争を通じてキーフの部隊に供給した武器や装備がなければ、戦争はもっと早く終わっていたであろうとも述べた。
ウクライナがどのような譲歩をしなければならないかについて尋ねられた際、トランプ大統領は「今は詳しくは言いたくないが、NATOについては忘れてもいい」と述べた。
「それが、私の考えでは、この問題が始まった理由だと思う」
ロシアはウクライナのNATO加盟に反対している。
ゼレンスキー氏は、ウクライナのNATO加盟を含む様々な安全保障を海外の支援者に求めているが、トランプ政権はすでにこの案に反対の意思を示している。
これに先立ち、トランプ大統領は26日のホワイトハウスでのコメントで、ゼレンスキー氏が28日にホワイトハウスを訪問し、アメリカがウクライナに対する過去および将来の潜在的な支援の対価として、レアアースなどのウクライナの天然資源へのアクセスを得るという取引をまとめると発表した。
トランプ大統領は、ゼレンスキー氏がウクライナの天然資源に関する協定に署名する用意があると述べたが、ゼレンスキー氏はこの協定に難色を示し続けている。
2月26日未明、キエフで記者会見したウクライナ大統領は、アメリカからの具体的な安全保障はないと述べた。
「私はウクライナの安全保障に関する文章が欲しかったし、それがあることが重要だ」とゼレンスキー氏は語った。
ウクライナのシュミハリ首相は26日、ウクライナ政府は同日中に同国の天然資源に関する協定案を承認すると述べた。
シュミハリ首相によると、この協定案では、ウクライナが 「関連するすべての国有天然資源資産と関連インフラの将来の収益化から受け取るすべての収益 」の50%を拠出することになるという。
また、シュミハリ首相は「既存の預金、施設、ライセンス、賃料は、この基金を設立する際の議論の対象にはならない」とし、この取り決めに該当する収益は、アメリカとウクライナの共同管理下にある基金に入ると述べた。
シュミハリ首相は、この取り決め草案について、ウクライナがアメリカのウクライナに対する安全保障と結びつけようとする予備的な合意だと説明した。
トランプ大統領は2月26日の記者会見で、ウクライナの天然資源をめぐる取引はウクライナの利益になると主張した。
「これはウクライナにとって素晴らしい取引だ。なぜなら、私たちがそこに行くからだ。私たちはそこで働くことになる」とトランプ氏は述べた。「私たちがその土地にいる限り、自動的に安全が確保される。私たちがそこにいるとき、誰も私たちの人々に手を出すことはないだろう」
ゼレンスキー大統領は、最終的な平和合意の一環として、外国の支援者から確固たる安全保障の保証を受け取ることに強く固執している。一方、ロシアは、最終合意を実施するためにウクライナに展開されるヨーロッパの平和維持軍など、すでに議論されているいくつかの安全保障保証に対して警戒を続けている。
トランプ前大統領は今週初め、ウクライナにヨーロッパの平和維持軍を配置することについてプーチン大統領と話し合ったと述べ、ロシアの指導者は「それに問題はない」と語った。
その後、ロシアの外相セルゲイ・ラブロフ氏は、ロシアはウクライナ内にNATO加盟国の部隊が存在することに反対していると発言した。
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