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米欧通商協議 EU 米国製輸入車の関税引き下げも視野

2025/02/21
更新: 2025/02/21

欧州連合(EU)の通商担当委員、マロシュ・セフコビッチ氏は19日、ルートニック米商務長官、グリアー米通商代表、ホワイトハウス国家経済会議委員長のケビン・ハセット氏と会談した。

セフコビッチ氏は会談後、「EUはアメリカとの公正かつ互恵的な関係を重視する」と述べた。さらに、「EUとアメリカは非市場的な行動による過剰生産という共通の課題」に直面しており、「EUは問題解決の一翼を担う存在であり、原因ではない」と主張した。

会談中、EUとアメリカの貿易総額は1.7兆ドル(約255兆円)に達することに触れ、米欧貿易関係の重要性を指摘。

EUが言及する「非市場的な生産過剰」について、名指しは避けたものの、中国を指しているとみられる。トランプ政権発足前から、EUは米中貿易戦争の影響で中国の余剰製品がEU市場に流入することを懸念していた。トランプ政権が相互関税の方針を打ち出したことで、EUはアメリカの追加関税を回避するための交渉を進める必要がある

関税引き下げ交渉に前向きも、追加関税には「即座に対抗」

セフコビッチ氏は会談中、戦略的に重要なサプライチェーンの統合は欧米双方にとって利益となると強調したと述べ、意見の相違がある点についても、「EUはアメリカと協力し、最大限の努力をして解決を図る」との立場を示した。

現在、EUの輸入車関税は10%なのに対し、アメリカの関税は2.5%であり、トランプ政権はこの差を問題視している。

会談前、セフコビッチ氏は保守派シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)」で講演し、「EUはアメリカと自動車関税の引き下げについて協議する用意がある」と発言。

また、「トランプ大統領は“大規模な貿易合意”を求める交渉人であり、包括的な合意を実現したいと考えているようだ。だからこそ、あらゆる可能性について議論しよう」と述べ、関税交渉への柔軟な姿勢を示した。

同時に、「もしアメリカがEUに不公正な追加関税を課す場合、EUは即座に対抗措置を講じる」と警告し、アメリカの措置次第では強硬な対応を取る可能性も示唆した。