ドナルド・トランプ大統領は、カナダとメキシコからの商品に25%、中国からの商品に追加で10%の関税を課す命令に署名した。
トランプ氏は、「不法移民と致死的な薬物、特にフェンタニルが我々の市民を殺している重大な脅威」のため、国際緊急経済権限法に基づいて関税を課したと述べた。
「アメリカ人を守る必要があり、全ての安全を確保するのは大統領としての私の義務だ。選挙運動中に、不法移民と薬物が我々の国境を越えて流入するのを止めると約束し、アメリカ国民は圧倒的にそれを支持した」とトランプ氏は土曜日の夕方に命令に署名した後、トゥルース・ソーシャル(Truth Social)に投稿した。
ホワイトハウスは声明で、「フェンタニルは18~45歳のアメリカ人の主な死因だ」と指摘した。「今日の関税発表は、中国、メキシコ、カナダが有毒な薬物のアメリカへの流入を止めるという約束に責任を持たせるために必要だ」とホワイトハウスは土曜日の夕方に述べた。
数週間の熟考の後、ホワイトハウスは「彼らが調達し、我が国に流通させることを許した違法なフェンタニル」に対する報復として課税を行ったと、トランプ氏の報道官キャロライン・レビット氏は述べた。「これらは大統領による約束と、その約束の履行だ」とレビット報道官は1月31日の記者会見で述べた。
トランプ氏はまた、アメリカとカナダの間の大きな貿易赤字のために課税が必要だと述べた。大統領はその差を2千億ドルと見積もったが、最近の米国国勢調査局(U.S. Census Bureau,USCB)のデータによると、2024年の最初の11か月間のカナダとの貿易赤字は550億ドルだった。
もし関税が維持されれば、大統領の関税は原油を含む北米諸国間の年間約1兆6千ドルの貿易に影響を与えることになる。
アメリカは毎日約450万バレルの石油をカナダから輸入している。トランプ大統領は記者団に、原油関税を「おそらく」10%に引き下げると述べた。
オクラホマ州立大学の研究者兼教育者であるサンデレシュ・ヘラグ(Sunderesh Heragu)氏は、アメリカが北米の隣国から多くの原油を輸入しているため、ガソリン価格が影響を受ける可能性があると述べている。「カナダ産原油の20%は米国の製油所で処理されるので、その供給が削減されると、ガソリンスタンドのガソリンは少なくとも20%、もしかしたらそれ以上減ることになるだろう」とヘラグ氏はエポックタイムズに語った。
米国自動車協会によると、1月31日時点でガソリン1ガロン(1 ⦅液量⦆ガロン⦅米⦆= 3.785411784 L)の全国平均価格は3.11ドルだ。
カナダのジャスティン・トルドー首相は1月31日、トロントでのイベントで演説し、アメリカの関税に対して「目的を持った、力強いが合理的な、即時の」対応をオタワが行うと発表した。
退任予定の首相は、カナダが「今後数日から数週間で困難な時期に直面する可能性がある」と認めたが、三層(連邦、州、自治体)の政府がカナダ国民を支援すると述べた。
保守党のピエール・ポワリエーブル党首と新民主党のジャグミート・シン党首は議会の召集を要請した。トルドー首相は、自身の所属する自由党が彼の後任を選出するまで議会を停会とした。
シン党首はトランプ氏の発表前に「これらの労働者に『我々があなたがたの味方だ』と知らせる必要がある。だから議会を召集して、その保護策を整えることを求めている」と述べた。「労働者への支援を実際に整えるために必要な法案があれば、それを成立させよう」。
カナダ・オンタリオ州のダグ・フォード首相は、オタワに対し「ドルに対してドル」「関税に対して関税」の報復の準備を整えるよう促した。フォード首相はソーシャルメディア・プラットフォームXで「カナダはこの戦いを始めないが、勝つ準備をしなければならない」と書いた。
トランプ大統領は交渉を求めていないと付け加えた。「我々は譲歩を求めているわけではない」、「どうなるか見守ろう」とトランプ氏は述べた。
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