“政局のカギ” 国民民主が立民・公明と幹事長会談 「各党と等距離で」 昨日には自民とも会談

2024/11/01
更新: 2024/11/01

国民民主党は1日、立憲民主党公明党と相次いで幹事長・国対委員長会談を行った。国民民主党は与野党問わず案件ごとに政策協議をした。

立憲民主党(以後、立憲)と国民民主党(以後、国民民主)の幹事長らが国会内で会談し、政策ごとに連携して対応していくことを確認した。会談では、政治改革や国会改革を進めていくことで一致。野田佳彦代表と玉木雄一郎代表による党首会談を調整するとしている。

立憲の小川淳也幹事長は、与党が過半数割れした衆議院選挙の民意を踏まえ、野党の結集が重要だとして今後の国会対応などでの連携を呼びかけた。

国民民主の榛葉賀津也幹事長は記者団に対し「各党と等距離でやっているので、立憲民主党とも政策ごと、案件ごとに連携し協議していく。政治とカネの問題は決着していないし、党首討論の時間の持ち方も極めていびつな状況なので、政治改革や国会改革をしっかりと前に出していく。野田代表との党首会談では多岐にわたって大所高所に立った話をしたいし、今後、日本維新の会や公明党とも党首会談を行いたい」と述べた。

同日午後、公明党と国民民主の幹事長も会談し、いわゆる「年収の壁」をめぐって国民民主が掲げている「103万円の壁」の見直しなどについて、協議を進めていくことで一致した。

また、公明党の新たな代表が選出されたあと、特別国会が召集される見通しが出ている、今月11日をめどに、両党の党首会談を行うことで合意した。

公明党の西田幹事長は記者団に対し、「国民民主党が唱えている政策は公明党と共通している部分が数多くあり、議論を深めて与党や政府全体を動かしていきたい」と語った。

国民民主党と自民、公明両党の政策協議では所得税の非課税枠拡大が主要議題の一つとなる。公約通りに実現すると、同党の主張通り所得税の基礎控除などを現行の103万円から178万円に引き上げた場合、国・地方で7~8兆円程度の減収が見込まれる。

林芳正官房長官は31日の記者会見で、国民民主が掲げる「103万円の壁」見直しについて、「基礎控除等の所得控除は高所得者ほど減税の影響額が大きくなる」とも語った。納税者にとっては減税となる。高所得者ほど税負担軽減の恩恵が大きくなることも分かっており、公平性が課題になりそうだ。

国民は衆院選での公約で、「103万円の壁」見直しのほか、ガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の凍結解除を訴えている。

衆院選で過半数を割り込んだ与党は、案件ごとに野党の賛同を得る必要があり、厳しい政権運営が迫られている。政権運営のあり方をめぐり、与野党を超えた各党の駆け引きが活発になっている。

先月31日には、国民民主党は自民党とも会談しており、政策協議を開始することで合意した。国民民主が主張する手取り増に向けた減税措置などを巡り、自公と国民で議論。会談には、自民側は森山幹事長と坂本国会対策委員長、国民民主側は榛葉幹事長と古川国会対策委員長が出席した。

会談後、国民民主の榛葉幹事長は記者団に対し、自民党が両党の政調会長による会議体の設置を要望したのに対し、国民民主は法案および税制の案件ごとに協議する意向を示し、自民党側も了解したと語った。

政府与党は、石破茂首相が策定を指示した総合経済対策について、手取り収入を増やす政策に言及する方向で調整に入っている。国民民主党の主張を一部反映させ、財源の裏付けとなる2024年度補正予算案の年内成立へ協力を得たい狙いがある。