2023年11月18日に掲載した記事を再掲載
米国政府が世界各国のLGBT関連運動に多額の資金提供をしていたことが、エポックタイムズの調査で明らかになった。その額は過去3年間で41億ドルに上る。
コロナ禍で失業者が急増するなか始まったこの取り組みに、米国の納税者は驚きを隠せなかった。2020年10月1日から2023年9月30日にかけて、米国政府が各国のLGBT推進運動のために1100件以上の予算を支出した。
資金提供の対象は多岐にわたった。
2022年、バージニア州ノーフォークのLGBTライフセンターは「支援を求めるLGBTQの青少年・成人のための安全空間」を作るという計画により、米国政府から180万ドルの補助金を得た。
東欧・セルビアでは、LGBTQI+当事者の経済力向上と機会均等を促進し、職場とビジネスにおける「多様性、公平性、包括性」を促進する提案を支援するため、米国政府はセルビアの活動家グループ「Grupa Izadji」に50万ドルの資金を提供した。
旧ソ連構成国のアルメニアの活動家グループ「Pink Human Rights Defender」は、「アルメニアにおけるLGBTIコミュニティの地位向上」のために、米国から100万ドルを受け取った。
これらの財政データは全て連邦政府のウェブサイトで確認することができる。昨年2022年10月1日から今年9月30日までの財政年度で、米国政府は合計45万4821件の補助金を支出した。
上記サイトの検索機能を用いて「LGBT」とのキーワードで絞り込むと、1181件の助成金、31件のローン、そして9件の直接給付を確認することができる。
米国の政府補助金には、特定の使途のためのものと、使途が限定されていないものとがある。また、政府からの融資は、低金利で長期にわたって返済することが可能だ。
「LGBT」というキーワードに関連する補助金で、100万ドル以上の個別支払いの合計37億ドル以上に達した。ほかにも、LGBTの取り組みに対して多くの小規模な資金提供が行われた。
「トランスジェンダー」というキーワードで絞り込むと、検索結果は574件がヒットした。100万ドル以上支出した案件を全て足し合わせると、総額は約4億7800万ドルに上った。
米国政府がジェンダーイデオロギーにどのように資金を費やしてきたのかを調査する独立研究者は、匿名を条件にエポックタイムズの取材に応じた。
同氏はもともと石油関連企業に勤めていたが、コロナ禍で職を失い、LGBT補助金の行方について調べ始めた。
「ただただ驚くばかりだ」と同氏は語った。
自身や友人らは米国政府からほとんど救済を受けられないなか、多くの税金がLGBT活動に注ぎ込まれていた。
「過去3、4年に使われたお金について書くならば、20年間ネタに尽きることはないだろう」と同氏は言った。作家に「転職」した今、同氏はX(旧twitter)で「Randoland.us」というアカウントを立ち上げ、自身の発見を共有している。
性とジェンダーの「虹色革命」
米教育省の調査によると、「米国とタイのトランスジェンダー女性における異性間ホルモン療法の直腸粘膜への影響」を研究するために、エモリー大学には現在も補助金が支払われている。エポックタイムズもこの事実を確認することができた。
このプロジェクトは2019年に始まり、2024年7月に終了する予定。政府公式ホームページによると、研究者たちはこの研究を通して、米国政府から約350万ドルを受け取ることとなる。
同プロジェクトは「アレルギーおよび感染症に関する研究」に分類されている。米国政府の支出を確認するウェブサイトによれば、「公共および私立の非営利機関と個人が、感染症および関連分野の生物医学研究および研究訓練を設立、拡大、改善するために支援する」ことを目的としている。
小規模な助成金の中には、ごく限られた人々に焦点を当てた研究を対象としているものもある。
その一つに、トランスジェンダーおよび性同一性障害を持つ成人が親密なパートナーから暴力を受けている事案におけるアルコールの影響を調査しているものがあった。エポックタイムズはこの事実を確認することができた。
2023年には、LGBT用語辞典「ホモサウルス(Homosaurus)」をスペイン語に翻訳するプロジェクトが、全米人文科学基金(NEH)からおよそ35万ドルの資金援助を受け取った。
辞典「ホモサウルス(Homosaurus)」には、「子供の同性愛者」や「子供の性的魅力」、「高齢者を性的対象とみなすこと」といった単語が含まれている。
補助金について、エポックタイムズは国立人文科学基金(NEH)に問い合わせたが、返答はなかった。
米国のあるLGBT文化プロジェクトは、LGBT関連のラジオ・テレビのために33万3000ドル以上の資金提供を受けた。
「ゲイのための旅行ガイドからLGBTQに関連する史跡をマッピングするため」に32万4,000ドルの資金提供を受けた例もあった。
さらに、ナイジェリアや南アフリカ、ウガンダ、ウクライナ、フィリピン、イラン、中国など多くの国々で活動し、世界的なLGBT擁護を目的とした米国人活動家グループ「アウトライト・アクション」は100万ドルの補助金を受け取った。
学校におけるLGBT教育
米国政府は学校教育にもLGBT関連の補助金をつけている。例えば、ボストン・カレッジは「異性愛者・同性愛者の連携を通じて多様な若者の健康を促進するメカニズム」に関する研究で、140万ドルの補助金を受け取った。この資金は、マサチューセッツ州の中学校・高校における同性愛者と異性愛者の連携を図るクラブ活動の推進に充てられた。
保護者団体「Moms for Liberty」の共同創設者ティファニー・ジャスティス氏はエポックタイムズの取材に対し「連邦政府は、米国の公立学校の文化や思想潮流を変えるために、補助金を利用している」と語った。
地方教育委員の経験を持つジャスティス氏は、政府から資金提供を受けた活動家グループが学校でイデオロギー浸透の先導役を担っているのを目の当たりにした。
同氏は、補助金によって雇われた「コミュニティ・パートナー」と呼ばれる人たちが学校に進出していると述べた。彼らは学校の方針やカリキュラムを変える目的を持っており、LGBT活動家の世界観を子供たちに教えていると指摘した。
このような「文化革命」を後押しする連邦政府は、ほとんどの米国人の意思に反しているとジャスティス氏は述べた。
ジャスティス氏によれば、「Moms for Liberty」が行った最近の世論調査では、回答者の70%以上が、学校では基本的な知識やスキルを教えることを望んでおり、ジェンダー・イデオロギーや性的指向の指導を望んでいないことがわかった。
にもかかわらず、多くの資金がLGBT関連のプロジェクトに流れている。
教育省は、サンディエゴ・コミュニティ・カレッジ地区の「LGBTQIA+プライド・センター」に120万ドルを提供した。
ノースダコタ州の「先住民、LGBTQIA+、農村部、およびサービスが不十分な学校のメンタルヘルスニーズ」に対応するため、教育省は約160万ドルの補助金を提供した。
エポックタイムズは教育省にコメントを求めたが、返事は得られなかった。
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