27日投開票の衆院選の結果、与党が過半数を割り込み、過半数を制する勢力が存在しなくなる状況となった。
こうした中、次の首相に誰が就くか、与野党の攻防が始まり、政局が注目されている。
11月半ば以降に実施される首相指名選挙で、第1回で過半数を獲得する議員がいなければ上位2人の決選投票が行われる。石破茂首相と野田佳彦氏(立憲)の決選投票となる可能性が高い。
議席を選挙前の98から148へと大幅に増やした立憲民主党(立憲)の野田氏は28日、開票センターで「首相指名を取りにいくのは当然」と政権交代に意欲を示した。
政局のカギを握るのは、議席数を4倍にまで増やした国民民主党(国民民主)だ。
玉木雄一郎代表は民放の番組で、首相指名選挙について、1回目の投票、上位2人による決選投票でも「玉木雄一郎と書く」とする一方、党が選挙戦で掲げた政策の実現などにつながると判断した場合は、他党の党首に投票することもあり得ると述べた。
過去には、自民党が第一党ながら過半数割れとなり、政権交代を許したケースもある。1993年8月に新生党、新党さきがけ、日本新党に社会党などが加わった細川護熙氏を首相とする連立内閣が誕生した。その再来になるかどうかは今後の政局次第となる。
立憲は28日午前、党本部で執行役員会を開き、今後の対応について協議し、特別国会での首相指名選挙などに向け、国民民主や維新に連携を呼びかけていく方針を確認した。ただ野田氏は、日本共産党について「政権を共にすることはない」と述べている。
野党の結集を呼び掛けている立憲だが、玉木氏は立憲と連立を組むことに慎重な姿勢を示している。「外交・安全保障、エネルギー、憲法といった基本政策の協議と一致が不可欠」と述べている。
一方、国民民主に対しては、自民からもラブコールが出ている。
玉木氏は、「幹事長レベルでは一定の接触をしている」と明かしている。そのうえで、政策の実現が可能なら協力するとした。
自公が野党と連立する可能性については、きわめて薄い。
玉木氏は、与党の連立政権に加わることはないという考えを重ねて示した上で、党が掲げた政策の実現に向けて政策ごとに協力できるか判断したいと強調した。
また日本維新の会の馬場信幸代表も、27日の記者会見で、連立政権について「今のところ全く考えていない」と改めて否定している。
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