現在の状況に対する懸念が高まる中、中国人はさまざまな手段を用いて資金を国外に移している。これは、中国共産党(中共)がイデオロギーによる統治を、いままで強調した結果と分析されている。
中共は外貨管理を行っており、個人が年間に両替できる外貨の上限は5万ドル(約760万円)だが、ますます多くの中国人が、暗号通貨やペーパーカンパニーの設立などを通じて、大量の資金を国外に移転させることを選んでいる。
最近のウォール・ストリート・ジャーナルの報道によれば、6月末までの四半期において、中共の監視を回避して海外に移転された資産は2540億ドル(約39兆円)に達し、この数字は過去10年間に中国から逃れた資金の総額を上回っている。2015年から2016年にかけては、不動産市場の低迷により資本流出の波があったので、実際の金額はさらに高くなる可能性がある。
大紀元のコラムニスト王赫氏は、「この現象は、中国の経済状況が非常に悪化していることを示しており、資金を持つ人々は資金を移転して価値を保ち、リスクを回避しようとしている」と述べている。
さらに、パンデミック以降、中共が都市封鎖政策を実施し、民間企業への抑圧を続けてきたため、外国資本は次々へと中国から撤退した。中国国家外貨管理局のデータによると、今年の4月から6月にかけて、中国の国際収支における外国からの直接投資は148億ドル(約2兆2534億円)減少し、過去最高を記録した。
王赫氏は次のように述べている。
「現在の中国では、エリート層であれ、一般大衆であれ、中共は、彼らからさらに血を吸い取り、経済に血を注ごうとしている。しかし、これが逆に悪循環を生み出し、皆がさらに急いで手段を選ばずに、資金を国外に移そうとするため、中国経済全体が加速して下落している」
低迷する経済状況に直面し、中共は最近、一連の経済刺激策を発表した。しかし、分析によれば、計画経済を基盤とする中共の経済モデルでは、これらの政策が、実際に経済を引き上げるのは難しいとされている。
ワシントン情報戦略研究所の経済学者、李恒青氏は次のように述べている。「たとえ今、いくつかの金融政策が調整されても、それは経済を安定させ、政権を強化するためのものであり、単なる戦略に過ぎない。本当の解決策ではない。これらの戦略の核心的な目的は、資金を騙し取ることであり、あなたに投資をさせ、状況が少しでも改善したら再び取り締まることだ」
資産を移転する手段を持たない一般市民は、運命に任せるしかない。
王赫氏は次のように指摘している。「したがって、現在の状況において、社会の民心は変わりつつあり、社会全体が混乱と迷いの状態にある」
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