人権問題 「このままでは彼女が消されるかもしれない」と友人が懸念

中国著名ジャーナリスト 公安によって「通信手段をすべて遮断される」

2024/08/30
更新: 2024/08/30

中国の著名な女性ジャーナリスト高瑜(こう ゆ、80歳)氏の「通信手段がすべて公安によって遮断された」ことがわかった。

彼女の友人は 「このままでは彼女が消されるかもしれない」と懸念しており、注目を呼びかけている。

高氏は26日、「私の通信手段はすべて公安によって遮断されてしまった。自宅や携帯のネットだけでなく、固定電話や携帯電話からも発信できない。救急車を呼ぶこともできないのだが、このツイートはレストランで投稿しています」とX(旧ツイッター)に投稿。

彼女は、「言論の自由と通信の自由は憲法で保障された人権である」と主張し、「今後も当局に屈服せず、他所でネットに接続して発信し続ける」と決意を新たにした。

高氏のアメリカにいる友人で、「光伝媒」の創始者である王瑞琴氏は、米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対し、「高氏は今回、ネットワークを切断される前、国保(公安の秘密組織)から何度もXアカウントを削除するようにと圧力をかけられていた」と明かしている。

「現在、高氏は情報を完全に遮断された状態にあるため、もしこのまま彼女が声を上げないでいるような状態が続けば、彼女は当局によって消された可能性が出てくる。私たちはそれをとても心配している」と王氏は懸念している。

また、高氏の現状について、王氏は次のように明かした。

「何も恐れずに言いたいことを言う高氏は、中国共産党(中共)当局からずっと嫌がらせを受けてきた。とくに今年はひどい。重要会議が開催されるたびに、彼女が声を上げられないよう、強制的に遠くへ旅行をさせられてきた」

「反体制派の高齢化が進む中、高氏のように冷静で発言力のある人はそう多くはない。そのため、彼女は当局から目のかたきにされ、監視と弾圧が絶えなかった。それでも彼女は屈服せず、妥協もしなかった。彼女の息子が母親のせいで何度も職を失ってきていて、息子さんが就職すると、国保はその雇い主に圧力をかけて彼をクビにしてきた。息子さんは、いまも失業中だ。高氏本人も3度投獄されてきた、高氏一家は本当に大きな代償を払ってきたのだ」

「中共当局は今回、高氏を世界から隔離しようとしているようだが、本当に馬鹿げている。いまはインターネットの時代だ。彼女は外出してどこかの店に行けば、その店のインターネットを使うことができる」

高氏はかつて、北京「経済学週報」副編集長を務め、1989年の天安門事件で冤罪により逮捕、釈放後1993年に再び逮捕され、1999年に外部病院での治療のために解放された。

アメリカコロンビア大学は高氏に客員教授の学位を用意したが、高氏は中国国内での活動を選択した。高氏は、「当局には銃があるが、私にはペンがある」ことをモットーにしている。

高氏は著作家でもあり、国際女性メディア財団から「勇気賞」を2度受賞し、ほかにも95年世界新聞協会から自由のための金ペン賞、97年にもユネスコの世界報道の自由賞などの受賞経歴を持つ。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!