ビッグテック企業のプラットフォームにニュース・提供者へのコンテンツ対価の支払いを求めていたカリフォルニア州の「法案AB 886」は、今週サクラメントで大きな進展を見せた。議員たちは、州内のニュースルームと、ジャーナリストをサポートする人工知能(AI)ツールとリソースの開発に資金を提供する契約を発表した。
この法案は、先週の重要な上院歳出委員会の公聴会で財政的影響を考慮するための保留ファイルから通過した際、Googleのようなビッグテック企業のプラットフォームと地元のニュース提供者の間の論争の原因となっていた。
8月21日に民主党の議員であるバフィー・ウィックス氏が発表し、ギャビン・ニューサム州知事が称賛したこの新しい協定では、州政府とビッグテック企業が協力して、5年間にわたる様々な活動やプロジェクトを進める。
「この取引は、数百人の新しいジャーナリストを支援するだけでなく、カリフォルニア州の報道陣を再構築し、民主主義におけるジャーナリズムの重要な役割を強化するものだ」とニューサム知事は8月21日の声明で述べた。
ビッグテックがプラットフォーム上のジャーナリズムコンテンツに対してデジタルニュース提供者に料金を支払うのではなく、これらのイニシアチブはニュースルームに対して約2億5千万ドルの民間および公共の資金を提供する。
ウィックス氏の事務所によると、資金の一部はAIツールの開発と、急速に拡大するテクノロジーをジャーナリストが活用できる新しい方法を模索する「AIアクセラレータ(AIの計算処理を高速化するために設計されたハードウェア)」と呼ばれるものの立ち上げを支援するという。
「技術と革新が進む中で、カリフォルニア州が民主主義におけるジャーナリズムの重要な役割を引き続き支持することが重要だ」とウィックス氏は声明で述べた。
声明によると、この資金は「カリフォルニアを拠点とするジャーナリズムを維持し、拡大するための財源」を提供し、カリフォルニア大学バークレー校のジャーナリズムスクールによって管理される。「ニュースの砂漠」と呼ばれる、ジャーナリズムの報道が乏しい地域にある報道機関への資金援助が優先される。
アルファベット(Googleの親会社)のグローバル・アフェアーズ社長兼最高法務責任者を務めているケント・ウォーカー氏は声明で、「カリフォルニア州の議員たちは、AIイノベーションを加速させ、地元や国内の企業や非営利団体を支援するための協力的な枠組みを開発するために、テック業界やニュース業界と協力してきた」と述べた。
しかし、一部のジャーナリストにとっては、AIが最終的に自分たちを置き換えられるのではないかという恐れが残る。
西部メディアギルド(Media Guild of the West)の会長を務めているマット・ピアース氏は、同僚に送った書簡とXでの投稿で、、イニシアチブによって資金提供されるAIアクセラレータを「信頼性のない盗作技術」と表現し、「ジャーナリストの仕事の破壊を加速させる」と述べた。
このギルドは、南カリフォルニア、アリゾナ、テキサスの数百人のジャーナリストを代表している。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。