四川省のある男は、「仏像を拝めば人生を変えられる」と信じて疑わない。
そんな敬虔な男は、寺から誰も拝んでいない仏像を盗み出して、自宅にお持ち帰りして拝んでいたことがわかり、窃盗の疑いで逮捕されてしまった。
中国メディア「澎湃新聞」によると、今月上旬、紹興市にある「芳泉石宕廟」の管理員は、寺にあった高さ1メートルの仏像と台座のセットが盗まれているのを発見し、110番通報した。
寺院周辺の監視カメラをチェックしたところ、そこには小さな包を手に持って、車で立ち去る不審な若い男が映っていた。警察が男の家にいってみると、線香の煙が充満したわずか10数平方メートルの狭い部屋のなかになんと、大小20体以上の仏像が置かれていた。
男は紹興市に出稼ぎに来た四川出身の若者で、「神さまは自分の人生を変えてくれる」「拝む仏像は多ければ多いほど良い」と信じて疑わないのだという。
そこで、男は「誰も拝んでいないだろう(と男が思った)」寺の仏像をこっそり家に持ち帰っては、果物やケーキを供え、線香、ろうそくなど灯して敬虔に拝むようになったという。
「仏像を拝みたいから家に持ち帰った」事件は過去にも発生している。
2022年6月、敬虔な仏教信者である江西省上饒市の70代の男性も「好きな時に拝みたいから」と、寺の観音像をビニール袋に入れて家に持ち帰って熱心に拝んでいたが、2日後に窃盗罪で捕まっている。
男は執行猶予付きの懲役6か月の判決と、罰金2千元に処された。
なぜか憎めないこの仏像ドロボーのニュースをめぐっては以下のコメントが面白かった。
「観音さまをお持ち帰ろうとした時、観音さまの許可は取ったのか?」
「観音様がいつでも『OK』のジェスチャーをしていたから、老人は許可貰ったとでも思ったのだろうか」
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