社会問題 寺院から仏像20体以上盗んで「お持ち帰り」

中国で敬虔な「仏像ドロボー」捕まる

2024/08/24
更新: 2024/08/24

四川省のある男は、「仏像を拝めば人生を変えられる」と信じて疑わない。

そんな敬虔な男は、寺から誰も拝んでいない仏像を盗み出して、自宅にお持ち帰りして拝んでいたことがわかり、窃盗の疑いで逮捕されてしまった。

中国メディア「澎湃新聞」によると、今月上旬、紹興市にある「芳泉石宕廟」の管理員は、寺にあった高さ1メートルの仏像と台座のセットが盗まれているのを発見し、110番通報した。

寺院周辺の監視カメラをチェックしたところ、そこには小さな包を手に持って、車で立ち去る不審な若い男が映っていた。警察が男の家にいってみると、線香の煙が充満したわずか10数平方メートルの狭い部屋のなかになんと、大小20体以上の仏像が置かれていた。

男は紹興市に出稼ぎに来た四川出身の若者で、「神さまは自分の人生を変えてくれる」「拝む仏像は多ければ多いほど良い」と信じて疑わないのだという。

そこで、男は「誰も拝んでいないだろう(と男が思った)」寺の仏像をこっそり家に持ち帰っては、果物やケーキを供え、線香、ろうそくなど灯して敬虔に拝むようになったという。

「仏像を拝みたいから家に持ち帰った」事件は過去にも発生している。

2022年6月、敬虔な仏教信者である江西省上饒市の70代の男性も「好きな時に拝みたいから」と、寺の観音像をビニール袋に入れて家に持ち帰って熱心に拝んでいたが、2日後に窃盗罪で捕まっている。

男は執行猶予付きの懲役6か月の判決と、罰金2千元に処された。

なぜか憎めないこの仏像ドロボーのニュースをめぐっては以下のコメントが面白かった。

「観音さまをお持ち帰ろうとした時、観音さまの許可は取ったのか?」

「観音様がいつでも『OK』のジェスチャーをしていたから、老人は許可貰ったとでも思ったのだろうか」

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!