「中共は最大脅威」 トランプ氏 台湾に防衛費の支払い求める

2024/07/22
更新: 2024/07/22

アメリカの次期大統領選の候補者であるトランプ氏は5月に、自らが大統領である間に、中国共産党(中共)が台湾に対して武力を行使した場合、米軍が北京を攻撃すると宣言した。最近のインタビューで、台湾の防衛についての質問が再び提起された際に、トランプ氏は台湾が防衛費を支払うべきだと主張し、「保険契約」という言葉を使って注目を集めた。一方で、現職のバイデン米大統領は、中共が台湾に武力侵攻する事態になれば、アメリカが軍事的に介入することを何度も強調している。

トランプ氏は、最近のブルームバーグ・ビジネスウィークのインタビューで、台湾はアメリカの防衛支援のための費用を負担するべきだと述べ、「アメリカは保険会社のようなものだ」と表現した。

トランプ氏が大統領在任中、NATOやインド太平洋地域の同盟国にも同じような負担を求め、NATO加盟国は自国のGDPの2%を防衛費に割り当てるべきだと訴えていた。

これに対し、台湾の行政院長、卓栄泰氏は、この考えに賛成の意を示している。

卓栄泰行政院長は次のように述べている。

「台湾海峡およびインド太平洋地域での台湾とアメリカの共同の責任について、私たちはより大きな責任を負う準備ができている。これは自己防衛のためのものだ」

また、卓栄泰氏は、台湾が国防予算を順調に増やしていることを強調した。

国策研究院の副院長である郭育仁氏は、トランプ氏の発言は、同盟国への一貫した姿勢であり、アメリカが台湾への安全保障の約束を、より戦略的かつ明確にすることを意味すると述べている。

郭育仁氏は次のように述べた。

「トランプ前大統領は、台湾への武器売却を最も積極的に行った大統領であり、彼の提唱する保険のような政策は、台湾にとって朗報だ。これはアメリカの台湾政策が戦略的な曖昧さから明確な方向へと大きく転換したことを示している。つまり、私たちが費用を支払い、アメリカが防衛を約束するという関係であり、私たちが最新鋭の武器を購入し、アメリカがそれを売ることに合意するならば、台湾は喜んでその取引を行う」

さらに、郭育仁氏は、トランプ氏の政策が継続されるならば、中共は重大な決断を迫られ、不安な夜を過ごすことになるだろうと指摘している。

郭育仁氏は中共が台湾侵攻すれば、実際には台湾ではなく、アメリカと戦うことを意味してしまうと述べた。

トランプ氏の発言に応じて、米国務院は7月17日に、台湾は自国の防衛のために、常に米国製の軍事装備に対して、支払いを行っていると発表した。

米国務省のミラー報道官は、「台湾は自国の防衛のために、常に支払いを行っている。台湾がアメリカから購入した軍事装備は、数十億ドルにものぼる。過去数十年にわたる我々の支援や安全保障協力を振り返れば、台湾がアメリカから軍事装備を購入している事実がはっきりする。これは決してアメリカの慈善活動ではないのだ」と述べている。

マイク・ポンペオ前米国国務長官の中国政策主席顧問を務めたマイルズ・ユー(余茂春)氏は、「アメリカは多くの国々、特に民主主義国家の防衛に対して責任を持っているが、その責任分担がいつも公平であるとは限らない。特にトランプ政権下では、財政的な支援に非常に力を入れていた。しかし、台湾の防衛に関して、アメリカが取っている明確な立場は間違いない」と述べている。

22日には、台湾の国軍が国を挙げて、合同作戦演習「漢光40号」を行う。今年の演習では、実戦を想定する内容が強化され、新たな交戦規則のテスト、分散型の指揮統制システム、夜間の訓練などが実施される予定だ。

台湾淡江大学の国際事務と戦略研究所の副教授、黄介正氏は「台湾が自国の民主主義を維持し、安全を確保することは自分たちの責任であり、外国に依存するべきではない」と述べている。

台湾が直面している脅威に関して、トランプ氏の副大統領候補であったJ.D. バンス氏も最近、中共は、アメリカにとって最も大きな脅威だと断言した。さらに、現職のバイデン大統領も、中共が台湾に対して武力行使をする可能性がある場合、アメリカが軍事的に介入することを排除しないと、何度も強調していた。