中国における「タンク車混載」の恐ろしい実態が明らかになった。
なんと、「液体燃料」を運んだ後、洗浄が行われないまま、「食用油」を運んでいたことが中国メディアの追跡調査で判明したという。
この現象を取り上げた中国メディア「新京報」によると、洗浄を行わずに、食用油と化学工業液体を混ぜて輸送することは、ニュースとも言えないほど、もはや中国のタンク車輸送業界では「公然の秘密」だという。
取材に応じたタンク車運転手によると「タンク車を1回洗浄すれば、安くても300~500元(6600~1万円前後)、高い時は800~900元(1万7000~2万円前後)かかる。コストを抑えるため、積載品が変わっても洗浄なしでそのまま運ぶことが多い」
「積載品には工業廃水から廃油、可塑剤、減水剤といった危険化学品に当たらない液体も含まれ、最も多く運んでいるのが石炭液化油だ」という。
業界歴10年以上という、別のタンク車の運転手によると、「液体燃料を降ろした後、タンクを洗わなければ、通常数キロから10数キロの液体燃料がタンク内に残る」
石炭液化油は合成液体燃料の一種、原材料に石炭を用いて精製した液体燃料である。人体に有害な成分を含むため、長期的に摂取すれば中毒症状を起こしたり、造血機能に影響を及ぼしたりすると、専門家も指摘している。
中国メディアによると、一部の食用油工場の管理はずさんなもので、実際にタンク車の中は、点検しない。運転手はタンク車の取卸口をキレイに拭き取り、なかには写真を数枚提出するだけで検査をクリアできるケースもあるという。
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