今月1日、中国版迷惑系YouTuberで、「鉄頭(アイアンヘッド)」というアカウント名の中国籍の男が靖国神社の石柱にスプレーで「toilet(トイレ)」と落書きし、小便をするような様子が写った動画が中国SNSに投稿されて、大騒動となった。
この件をめぐり、日本のSNSでは怒りの声が高まり、日本警察が器物損壊の疑いで捜査、高須クリニックの高須克弥院長までこの男の首に「懸賞金1千万円」を掛けた。
しかし、「指名手配中」の男はその後中国に逃げ帰った。男のしたことに対しては、中国国内からも「恥知らず」と非難の声が一部上がるなか、男の中国SNSが全部凍結されていたことがわかった。
16日、アカウント復活のために中国SNS微博(ウェイボー)の運営会社(中国新浪/北京)へ抗議に行く男の動画がSNSで拡散された。
「反日愛国」を謳い、過激な愛国主義的主張に走る若者、いわゆる小粉紅たちから英雄扱いされている「鉄頭」は、なぜかこの日、「HONDA」と印字された服を着ており、このことに関するツッコミも多く寄せられている。
(ウェイボー社へ抗議しにいく『鉄頭』)
そこでなぜ男が中国SNSの各大手プラットフォームから封殺されたのか? 世論の圧力が影響したのか?
筆者はこの質問について、中国問題評論家の李沐陽(りもくよう)氏にぶつけてみた。
「中国当局が日本人に嫌われている『鉄頭』のSNSアカウントを封鎖したのは、『中国はそういう人を甘やかすことはしない』という態度を示すためだ」
「鉄頭は自ら日本に行って日本人を挑発した。それを中国当局はただ面白がって傍観しているだけで、彼を守る必要など全くないのだから。そもそも、そういう人は中国当局にとっては使い捨ての駒でしかない」と李氏は評した。
靖国事件直後、事件について尋ねられた中国外交部は「中国国民は、外国に行ったら当地の法律や規則を遵守し、理性的な態度をとるべき」と回答している。しかし、この回答が「二枚舌だ」とする見解を示す人も少なくない。
中国国内では依然として「反日、反米教育」が行われており、外国に対する憎悪をかきたてる風潮が根強い。
(「真実こそ命を救う」を信念として、米ニューヨークより情報発信をするジェニファー・ゼン(曾錚)さんによる投稿、「中国共産党では、子供たちにこれを奨励しています」)
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