中共、豚肉へのダンピング調査で報復 EUは「全く懸念なし」

2024/06/19
更新: 2024/06/19

欧州連合(EU)が中国製の電気自動車に関税をかけたことに対する報復として、6月17日、中国共産党(中共)当局はEU産の豚肉とその加工品に対するダンピング調査を開始した。これに対してEUは、「全く懸念していない」とコメントしている。

EUは先週、中共政府からの補助を受けているEVに関税を課した。これに対し、中国は今週、EUが中国市場に豚肉をダンピングしているかどうかを調べる報復調査を開始したと発表した。

しかしEUは迅速に反応し、中共の調査に対しては全く懸念していないと述べた。

EU委員会の貿易と農業担当スポークスパーソン、オロフ・ギル氏は

「私たちは何も心配していない。なぜなら、全ての補助金が同一ではなく、共通農業政策やEUの政策に基づいた補助金は、WTOの義務に完全に適合しているからだ。これが私たちが最も注目していることだ」と述べた。

さらに、EUは中共の調査を注意深く監視し、WTOのルールに従って適切に行われるよう、必要に応じて介入する意向を示している。

公的な機関だけではなく、ヨーロッパの一般市民も、中国に対するダンピング調査を、あまり重視していないようだ。

イタリアの肉屋を営むブルーノさんは、「私たちの事業には、大きな影響はないと考えている。世界各地に豚肉や缶詰を供給しているので」と話している。

また、イタリアのデリカテッセンの店長であるダヴィデ・パトリッツィさんは、

「私たちのハムを自国で消費すべきだと思う。特に中国での、彼らの豚の飼育方法を見れば、なぜそう考えるかが理解できるだろう」とコメントしている。

2023年には、中国が世界最大の豚肉輸入国になり、合計で155万トンの豚肉を輸入した。しかし、デフレーションに直面している経済の影響で、豚肉の価格は何度も下落し、国内の養豚業者の多くが、赤字経営に悩まされている。