米国の未臨界核実験実施に、ロシア北朝鮮から反応

2024/05/22
更新: 2024/05/22

米エネルギー省の国家安全保障局(NNSA)は、先週14日、ネバダ国家安全保障施設にて(旧称ネバダ核実験場)で「未臨界核実験」を実施したことを確認した。この実験は、核弾頭に使用された材料の劣化状況等に関する情報を提供するためのもので、北朝鮮とロシアからの反応を招いた。

NNSAは、「アメリカの核弾頭の安全性、セキュリティ、信頼性、有効性を支える貴重な情報を収集するために、未臨界核実験が必要である」とした上で、「この実験は予測通りの結果となり、自己持続可能な連鎖反応や臨界状態には至らなかった。米国が1992年以来自らに課している核爆発実験モラトリアム(核実験の自主的な一時停止)に合致する」と説明した。また、NNSAは今後も同様の実験を増やし、核兵器の材料に関するデータを収集する計画を発表した。

NNSAのウェブサイトによれば、「未臨界核実験」は化学高性能爆薬を使用して極度の熱と圧力を生成し、1,000フィート地下の実験室で実施した。

ネバダ国家安全保障施設は、1950年代から核兵器の実験に使用されてきたネバダ州郊外のナイ郡にある。研究によれば、これまでに1,000回以上の核爆発実験が行われてきた。1992年以降、27回以上の「未臨界核実験」が実施されている。

反応

北朝鮮外務省は20日、先週のネバダでの実験に対して「危険な行為」と非難し、さらに「われわれは可能な選択の範囲内で、核抑止態勢の向上に必要な措置を再考せざるをえない」と述べ、自身の核兵器開発を正当化した。

北朝鮮は2006年から2017年までに少なくとも6回の核実験を実施し、頻繁に太平洋に向けてミサイルを発射している。そして7回目の核実験を行うと警告している。

ロシア外務省のスポークスウーマン、マリア・ザハロワ氏は、米国から提供された情報から判断すると、未臨界実験のロシアの理解に矛盾しないとし「CTBT(包括的核実験禁止条約)や、核爆発実験モラトリアムに違反するものではない」と述べた。

ロシアと米国は世界の核兵器総数の約88%を保有しており、世界最大の核保有国である。一方、ロシア国防省は21日にウクライナ近郊で、戦術核演習を実施する予定であると発表し、ロシアは再び西側諸国やNATOが「挑発的な」措置を取っていると非難した。

ロシア軍は「イスカンデル作戦戦術ミサイルシステム用の特殊弾薬の入手、発射車両への装填、そしてミサイル発射準備のための指定位置への隠密移動の戦闘訓練任務を実施している」と21日の声明で述べた。

また「キンジャール空対地超音速ミサイルを含む航空兵器に特殊弾頭を装備し、指定された区域への飛行任務にも従事している」と付け加えた。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。
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