WHOに中国共産党の賄賂と圧力 – 新証拠が明かす内部操作

2024/04/20
更新: 2024/06/27

中国共産党が国連の高官に賄賂を提供し、世界保健機関WHO)に圧力をかけていた事実が明らかになった。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の元スタッフから提供された証拠には、中国共産党がいかにして国際的な政策に影響を及ぼし、自国の利益を追求しているかが詳細に示されている。

CNN-News18とIndia Todayは4月17日の報道で、国連人権高等弁務官事務所の元スタッフでアイルランド人のエマ・ライリー氏が提供した新証拠を基に、国連人権高等弁務官事務所と中国共産党政府との間に問題のある関係が存在すること、また、WHOが中国共産党の影響下にあること、そして中国共産党が過去2期の国連総会議長に賄賂を贈っていたスキャンダルについて伝えている。

ライリー氏が英国議会の外交事務委員会に提出した証拠は、同委員会が4月16日に開催した初の公聴会で取り上げられた。公開された文書によれば、人権高等弁務官事務所が中国共産党政府に利益を与えており、「中国政府は国連を通じて、自国の利益を広範囲にわたって追求している」との指摘がなされている。

中共が国連総会の議長2人に賄賂

報告書によれば、ライリー氏が収集した証拠には、「2013~15年にかけての2年間、持続可能な開発目標(SDGs・Sustainable Development Goals )に関する交渉の中で、中国共産党(中共)は国連総会の議長2人に賄賂を渡し、これにより彼らは交渉の監督を行い、最終的に国連総会に提出される文書に大きく影響を与えた」と記されている。

この報告は、2015年10月にアメリカ司法省が、元国連総会議長ジョン・アッシュ氏、中国政治協商会議の委員でありマカオの実業家・呉立勝氏、世界持続可能発展基金会(Global Sustainable Development Foundation)の総裁・嚴雪瑞氏、および同基金会の財務責任者・朴虹氏を含む6人を賄賂関連の罪で起訴した事件を彷彿とさせる。

起訴された内容によれば、2013年に第68回国連総会の議長を務めたアンティグア・バーブーダ出身の元国連総会議長ジョン・アッシュ氏が、2011年~14年の12月の間に、呉立勝氏をはじめとする複数の中国人実業家から合わせて130万ドル(約1億9708万円)以上の賄賂を受け取り、見返りに中国のビジネスの利益を後押しするために彼の権限を使ったとされている。

2016年1月に行われた裁判で、6人の被告のうち、朴虹氏が最初に罪を認め、アッシュ氏への資金提供を秘密で行っていたという彼女の役割を認めた。

朴虹氏の供述は、アッシュ氏が賄賂を受け取っていた疑いを強く示している。朴虹氏が関わっていた世界持続可能発展基金会は、中国本土の政府やビジネス界と密接な関係を持っており、創設者であり会長の嚴雪瑞氏は、芸術家で元軍人の父を持ち、夫は北京とワシントンでオーストラリア外交官を務めた経験がある。

社交性に長けたオーストラリア華人の嚴雪瑞氏は、オーストラリアの元首相であるジョン・ハワード氏やケビン・ラッド氏を含む、オーストラリアやアメリカの政治経済界の高官との広い人脈を持っていた。

一方で、この事件に関与した呉立勝氏は、過去にアメリカの民主党に資金を提供しており、中国共産党の高官との緊密な関係が指摘されている。2018年には4年の懲役と100万ドルの罰金を受け、2021年にマカオへ戻った後は、土地取引における賄賂の罪で15年間の刑期を務めている。

ライリー氏の指摘によると、中国共産党から賄賂を受けたとされる国連総会議長の中に、ジョン・アッシュ氏がおり、もう一人は2014年にその職にあったウガンダの元外相、サム・カハンバ・クテサ氏である可能性が高いとされている。

彼は任期中に北京を訪問し、中国共産党からの支援を受けたと見られている。2015年7月には、国連総会議長として中国を再訪し、熱烈な歓迎を受けた。

中共がWHOにかけた圧力

ライリー氏は、中国共産党がWHOに圧力をかけて、新型コロナウイルス(武漢ウイルス、中共ウイルスとも呼ばれる)が実験室からの漏洩である可能性を示唆する記述を報告書から削除させたという証拠を提出した。

報告書には「WHOと国連環境計画が共同で作成した新型コロナウイルスの起源に関する報告は、実験室からの漏洩の可能性に言及する部分が縮小された」と記されている。

2020年4月21日にさかのぼると、WHOの報道官タリク・ジャシャレヴィッチ氏が国連ジュネーブ事務所で開かれた記者会見で、WHOが新型コロナウイルスのパンデミックとそれに伴う「偽情報の流行」という二重の危機に直面していると述べたことがわかる。

メディアやソーシャルメディアに広がる新型コロナウイルスの起源に関する情報に対し、ジャシャレヴィッチ氏は、全ての既知の証拠がウイルスが動物からのもので、人工的に実験室で作られたものではないことを示唆していると決めつけた。

続いて、2021年2月9日にWHOは、新型コロナウイルスのパンデミックが武漢の研究所からのウイルス漏洩によるものだとは考えにくいとする声明を発表した。中国国内での包括的な調査をせずにこの結論に至ったことは、WHOが中国共産党の影響を受けていた可能性を示唆している。

元アメリカ国務長官のポンペオ氏は、WHOが行った新型コロナウイルスの起源についての評価に疑問を投げかけ、ウイルスが中国の研究所から発生したとする「重要な証拠」があると明言した。

ポンペオ氏はFOXニュースの番組「America’s Newsroom」に出演し、「WHOを離れる決意をしたのは、その組織が腐敗しているという疑いが深まったためである」と述べ、さらにWHOが政治的に偏向しており、中国の習近平総書記に迎合していると批判した。

OHCHRスタッフが、中共に人権活動家の情報をリーク

ライリー氏によれば、人権高等弁務官事務所の人権理事会のフランス人の事務局長が、中国の反政府派や人権活動家の情報を中国共産党に密かに提供していた。

報告書では、「国連事務局が代表者の名簿を事前に中国共産党に渡したことで、代表者やその家族が中国警察からの嫌がらせを受け、活動を止めさせられた」と報告されている。

さらに、家族が不当に逮捕されたり、軟禁、失踪、無実の罪での長期刑、拷問を受ける事例があり、ウイグル族は強制収容所に送られることもあるとされている。

証拠によれば、次のような事実が判明している。「特定の状況で、家族が拘束されている間に亡くなった人々がいる。中国共産党のリストに記載されている人物の中には、海外での活動に一度だけ参加した後、中国に帰国して拘留され、その間に死亡した事例が少なくとも一つ確認されている。さらに、中国共産党は、非政府組織の代表者に対して国際刑警組織を通じて国際手配をかけたことが少なくとも一度はあったとされている」

国連の事務総長は「沈黙」

ライリー氏によれば、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「自己検閲」を行っており、中国共産党にとって不都合な特定の問題については議論を避けていたという。ライリー氏は X への投稿で、「私が解雇された時、彼は自分のルールに違反していることを知っていた」と述べている。

中共は国連に秘密裏に条件を提示

ライリー氏は、中国共産党が国連に提出した秘密の条件を公表した。その条件とは、中国共産党からの資金が台湾と外交関係を持つ国々に流れないようにすることであった。

国連職員への賄賂を提供し、WHOへの圧力をかけウイルスの起源情報を削除したり、また中国の人権活動家への迫害など、ライリー氏が明らかにした証拠は衝撃的である。

これにより、中国共産党が国連内部に影響力を及ぼし、裏で操っているという主張が根拠のあるものであることが再確認された。

実際に、ライリー氏は2013年にも国連人権高等弁務官事務所の不正行為を暴露し、アメリカの要人や議員に宛てた手紙で、同事務所が中国共産党にジュネーブでの会議に参加する人権活動家の情報を漏洩していたと指摘している。

その時、FOXニュースはライリー氏から提供された告発文書を入手し、その中のメールにより、国連人権高等弁務官事務所が中国共産党に反政府活動家の名簿を渡していたことが判明した。

また、その文書には、ターゲットとされた活動家の中にはアメリカの市民や永住権を持つ人々も含まれていたと記載されていた。

2020年、ライリー氏はメディアに再度情報を提供し、スイスの国連人権高等弁務官事務所が、中国共産党に中共政権を批判する人権活動家の名前や情報を継続して提供していると非難した。

国連人権高等弁務官事務所の不正行為は長期間にわたり行われている模様である。しかし、ライリー氏が何度も告発を行ったにも関わらず、中国共産党や一部の国連職員に影響を与えるどころか、彼女は解雇されてしまった。

現在、ライリー氏は英国議会に多くの証拠を直接提出し、その証拠は公表された。アメリカとヨーロッパが中国共産党に対する圧力を強化している現在、この事態は何を示しているのであろうか? 西洋が中国共産党の不正を明らかにし、正義を追求する力を結集し、中国共産党の世界的な挑戦に立ち向かっていることを意味しているのである。

周暁輝
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