安全保障上極めて重要な自衛隊のレーダー基地が、外資系再エネ事業者から電力の供給を受けていることが明らかになった。国民民主党の玉木代表は2日の記者会見で、河野太郎防衛相(当時)が自衛隊施設の再エネ化を推進していたことに言及し、「電気の安さより安全保障」を優先すべきだと指摘した。榛葉幹事長も「国家安全保障に直結する問題」として問題視し、仮にエネルギー供給を中露に依存すれば、「生殺与奪を握られる」ことになると警鐘を鳴らした。
「外国や外国企業の影響を我が国の重要なエネルギー政策が受けることはあってはならない」。玉木氏は会見でこう強調した。中国国営企業のロゴマーク問題について引き続き追求する姿勢を示し、セキュリティクリアランスの必要性を訴えた。
内閣府資料に中国国営企業のロゴマークが入っていたことを発端として、国内では再エネのあり方について再検討する動きが出ている。中露と日本を一つの送電網で繋げる「アジアスーパーグリッド構想」や、中国共産党の一帯一路プロジェクトの一環である「GEIDCO」が周知されることとなり、様々な憶測を呼んでいる。
国民民主党の玉木雄一郎代表は3月26日の記者会見で、河野太郎氏が防衛大臣時代に自衛隊施設の電力供給を再生可能エネルギーに切り替える政策を実施していたことに言及。電力を供給する民間事業者が仮に外国勢力の影響を受けていた場合、「いつ頃どのような電力消費をしているかによって、我が国の自衛隊の活動が明らかになってしまう」「自衛隊の活動が筒抜けになってしまう」恐れがあると指摘した。
同党の榛葉賀津也幹事長は3月29日の記者会見で、「再エネ率が100%の基地や駐屯地がけっこうある」と語った。民間企業が電源に参入していることについては、「一部は外国の会社が入って、華僑が一番の大株主という実態も判明している。まさに国家安全保障、エネルギー安全保障に直結する問題で、真相を究明しなければならない」と強調した。
榛葉氏は、2020年に河野防衛相が基地の電力供給を再エネに切り替える方針を出した後、一部の基地では5割近く再エネになったとし、「防衛施設に対する電力の安定供給はきわめて重要だ。民間企業が入った場合、どこの駐屯地、どこの基地で、どれだけどのタイミングで電力を消費しているかは防衛秘密にもかかわる問題だ」と指摘した。
「再生可能エネルギーを進めることは大事だが、そのことよりも国家安全保障の価値の方が高いと思う」と榛葉氏。「自衛隊施設に電力供給をしている社がセキュリティクリアランスの観点からも安全保障の観点からも問題がないかというチェックはしていくべきだ」と語った。
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