日・ウクライナ経済復興推進会議 日本ならではの貢献を行う

2024/02/20
更新: 2024/02/20

2月19日、日・ウクライナ経済復興推進会議首脳セッションが経団連会館で開催された。岸田文雄首相が出席した。

岸田首相は冒頭で、昨年3月のウクライナ訪問時、ゼレンスキー大統領からのウクライナ復興に向けた日本の支援に強い期待が表明されたことを受け、「日本ならではの貢献」を行うべく、本会議を開催することを決めた経緯を説明した。ウクライナ支援に、ウクライナ、日本及び世界の「未来への投資」という新しい意義を付与した。ウクライナの第一次産業から第三次産業までの網羅的な経済発展を官民一体となって強力に支援すると述べた。

また、岸田首相は「日本ならではの貢献」を進めるに当たり、「包摂性」「パートナーシップ」および「知見・技術」という3つの原則が重要だとし、また、本会議の成果として、日本の民間投資を促進し、ウクライナでの雇用を生み出す5つの行動(租税条約の署名および投資協定の改正のための交渉開始、JETROキーウ事務所の設置等)を起こしていくと説明した。今後、具体的な成果として署名された50本以上の協力文書をしっかりとフォローし、また、G7を始めとする各国および国際機関を含むパートナーと協力すると表明した。

シュミハリ・ウクライナ首相はゼレンスキー大統領からの謝意メッセージを伝えたとともに、日本による支援、本会議の開催、昨年のG7議長としてのリーダーシップ等について感謝の意を表明した。また、シュミハリ首相は、日本の復興経験、経済奇跡および近代化の経験からウクライナが学ぼうとしているとしつつ、ウクライナに進出している日本企業の事例に言及するとともに、エネルギー、農業、インフラ、自動車製造、鉱業、ITの分野に言及の上、今後の復興プロセスにおける日本企業との更なる協働を呼びかけた。

さらに、シュミハリ首相は、ウクライナの復旧・復興に係る莫大な資金ニーズや自らの汚職対策の取組の現状に言及し、欧州連合によるウクライナ加盟交渉開始の決定に触れながら、復旧・復興に当たって民間セクターが中心的役割を果たすことは必要不可欠であると述べた。

両首脳の立合いの下、同日に署名された「所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税および租税回避の防止のための日本国政府とウクライナ政府との間の条約」(日・ウクライナ租税条約)の署名本書が交換された。また、緊急復旧支援、経済復興・産業高度化、基盤的環境整備等に関する文書についても式典が実施された。これらを合わせ、計56本の署名協力文書が両首脳の立合いの下、披露された。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。