2月16日、アフリカ連合(AU)本部のあるエチオピア連邦民主共和国の首都アディスアベバにおいて、深澤陽一外務大臣政務官及びAU関係者立ち会いの下、中川勉アフリカ連合日本政府代表部特命全権大使とクェンテイン・ウォドンUNESCOアフリカ地域能力開発国際研究所代表は、供与額4.81億円の無償資金協力「西アフリカにおける女児のための安全で質の高い教育への継続的かつ包摂的なアクセス促進のための教員能力強化計画(UNESCO連携/UNESCO-IICBA実施)」に関する書簡を交換した。
西アフリカ、特にサヘル及びその周辺国においては、女子の教育達成度が低く、ジェンダー格差が根強いという共通の課題を有している。教員の能力や教育の質の不足、施設の物理的制約が指摘されており、治安の悪化による教育アクセスの阻害や、国内政治における事象が教育指標に悪影響を及ぼしている現状がある。
この協力は、2024年を「教育年」と定め、アフリカ内の人材育成を進めるAUの要請に基づき、カメルーン、チャド、ナイジェリア、ブルキナファソ、マリ及びモーリタニアの現職の初等・中等学校教員及び教員養成機関に対し、研修及び施設整備等を行うことにより、それぞれの能力向上及び女児の質の高い安全な教育への継続的かつ包括的なアクセス促進を図り、もって教育環境の改善を通じた地域の平和と安定に寄与するものである。
日本は2022年8月に開催した第8回アフリカ開発会議(TICAD8)で、400万人の女子の質の高い教育へのアクセスを改善することを表明している。また、2023年5月に岸田文雄首相が、サヘル地域とギニア湾沿岸諸国の平和と安定に寄与し、持続可能な成長を促進するため、今後3年間で約5億ドル(約734億円)の支援を行うことを表明している。この協力は、これらの表明を具体化するものである。
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