6日、アメリカの保守派法律団体「アメリカ・ファースト・リーガル(AFL)」は、ペンシルベニア州内の一部学区が行う子どもの性別移行を支援するプログラムに対して予備的差し止め命令を提出した。同団体は、学区が保健師や心理学者を含む学校スタッフによって保護者の知らないところで進められているこのプログラムが、保護者の権利を侵害していると批判している。
欧米では、子どもたちへの性別移行支援プログラムが急速に広がり、社会的な問題となっている。特に、思春期の子どもたちに対するホルモン治療や去勢手術、乳房切除、顔の再構築手術などの医療的介入が、取り返しのつかない身体的変化につながり、悩みを抱える子どもたちが増えていることが指摘されている。
AFLは、訴訟において保護者の権利の重要性を強調。「保護者には、自分の子どもに関わる医療上の決定を含む育成に関する基本的な権利がある。革新的な政治思想を持つ官僚によって親子の絆が破壊されることは許されない」と力説している。
訴訟を起こしたのは、ドナルド・トランプ元大統領の最高顧問を務め、スピーチライターとしても知られるスティーブン・ミラー氏が代表を務めるAFLだ。ミラー氏の影響力を背景に、同団体は保守派の思想を法廷や公共の議論の場で積極的に推進している。
最近では、世界保健機関(WHO)も1月に性同一性障害の子どもたちへの対応として「性別肯定的ケア」のガイドラインを発表。「彼」「彼女」といった男女の区分に基づく代名詞の使用を避け、不可逆的な医療措置を含む様々な対応策が提案された。
しかし、英国、フランス、オランダをはじめとする欧州の一部先進国では、この強力な性別移行支援アプローチに対する反対の声も上がっている。身体への損害リスクや未成熟な判断能力の段階での医療措置の実施に懸念を示し、各国はWHOのガイドラインの影響を制限する公衆衛生政策を導入している状況だ。
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