観光施設での公演中に屋根が崩落 多くの観光客が下敷き、22人負傷=中国 湖南

2024/02/05
更新: 2024/02/05

今月3日夜9時過ぎ(現地時間)、湖南省張家界市にある観光スポット「七十二奇楼」にある茶館で、仮設の屋根が崩落する事故が起きた。

事故が発生した当時、この茶館では文化的なステージ公演が行われていた最中だった。そのため多くの観光客が崩落した屋根の下敷きになり、現場は大混乱となった。現地当局によると、22人が負傷したという。

屋根が崩落した原因については、まだ明らかではない。ネット上では「ここはそんなに雪は降っていないだろう。また(当局は)雪のせいにでもするのか?」という辛辣なコメントが寄せられている。

そうしたコメントが寄せられる背景として、このような崩落事故が起きるたびに、中国人の間では「おから工事手抜き工事)」を疑う声が定番となっているからだ。

同じ日、河南省信陽市でも、工事中の体育館の屋根が崩落する事故が起きている。

こちらの事故では、確かに屋根の上に雪はあったが、映像で見る限り雪が大量に積もったというほどではない。しかし現地政府は、体育館の屋根の崩落原因を「雪のせい」にしている。

張家界市での崩落事故が起きる前日(2月2日)、現地政府はこの場所で「春晩」のための年越し祝賀シーンを録画撮影していた。

今年の旧暦元旦は2月10日、大晦日の年越しは2月9日の夜である。つまり年越しの「現地中継」であるはずの場面を、実は2月2日に前撮りしていたことになる。

そのような視聴者を偽る映像が事故の前日に撮られたことが、今回の屋根崩落と直接関係があるわけではない。ただし「中国共産党が平気でウソをつく実例」としては、典型的なフェイク映像になるであろう。

「春晩(春節連歓晩会)」とは、旧暦の大晦日から元旦にかけて行われる中国中央電視台(CCTV)の番組である。中国版の「NHK紅白歌合戦」と呼ばれるものだが、その内容や演出は、多分に中国共産党を美化し、宣伝する意図があからさまである。

(2024年2月3日、湖南省張家界市にある観光スポット「七十二奇楼」で起きた屋根崩落事故の様子)

(2024年2月3日、湖南省張家界市にある観光スポット「七十二奇楼」で起きた屋根崩落事故の様子)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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