社会調査研究センター(SSRC)は1月21日、スマートフォンを対象としたインターネット調査方式「dサーベイ」による全国世論調査を実施した。能登半島地震で大きな被害の出ている石川県は対象地域から外した。
<調査トピック>
1.自民の自浄能力「期待しない」74%、派閥「解消すべきだ」63%
2.内閣支持率19%、3カ月連続で20%割れ。「次の首相に」石破氏17%、小泉氏12%
3.能登半島地震の政府対応「評価する」26%
4.大震災で地元自治体が「頼りになる」31%
5.大震災への備え「防災グッズ」54%、地域差も
■自民の自浄能力「期待しない」74%、派閥「解消すべきだ」63%
自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件について、自民党の自浄能力に「期待しない」との回答が74%に上り、「期待する」は15%にとどまった。自民党の派閥については「解消すべきだ」が63%を占め、「解消する必要はない」は16%だった。
岸田首相が岸田派の解散検討を表明したことについては「評価する」が45%で、「評価しない」の32%を上回った。多額のパーティー券収入を裏金化していた安倍派については「解散すべきだ」が74%に上り、「解散する必要はない」は10%だった。
■内閣支持率19%、3カ月連続で20%割れ。「次の首相に」石破氏17%、小泉氏12%
岸田内閣の支持率は19%で、前回12月3日の17%から2ポイント増の横ばい。昨年11月以降、2割を切る厳しい状況が続いている。不支持率は70%(前回比1ポイント減)だった。
「日本の首相になってほしいと思う人」についても尋ねた。事前の調査で上位に入った8人を選択肢に挙げて質問したところ、①石破茂さん17%②小泉進次郎さん12%③菅義偉さん9%④高市早苗さん・河野太郎さん7%⑥上川陽子さん5%⑦岸田文雄さん4%⑧山本太郎さん3%——となった。「いない」との回答が32%、「他の人」が5%だった。
■衆院選投票先は自民18%・立憲12%・維新11%
政党支持率は自民党20%(前回19%)▽立憲民主党8%(同7%)▽日本維新の会8%(同9%)——などで、「支持政党はない」と答えた無党派層は49%(同49%)だった。維新の支持率は昨年1月以降、立憲民主を上回る状態が続き、8月には維新13%・立憲民主7%と5ポイント差を付けたが、その後、徐々に低下し、今回ついに並んだ。
dサーベイ全国世論調査では昨年6月から「仮に今、衆院選が行われたら比例代表でどの政党に投票するか」を尋ねている。自民は10月まで20〜21%で推移していたが、11月に初めて20%を割って19%となり、今回は過去最低の18%(前回19%)となった。先月まで2位維新・3位立憲民主の順位が続いていたが、今回初めて立憲民主が12%(同10%)で2位に浮上。維新は8、9月の16%をピークに漸減し、今回は11%(同12%)で立憲民主をわずかに下回った。
■能登半島地震の政府対応「評価する」26%
能登半島地震について、これまでの政府の対応を「評価する」との回答は26%で、「評価しない」の32%を下回った。「どちらとも言えない」が41%で最も多かった。
■大震災で地元自治体が「頼りになる」31%
大きな地震災害に襲われた際に地元自治体が頼りになると思うかを尋ねたところ、「頼りになると思う」31%・「頼りになるとは思わない」30%・「どちらとも言えない」38%と回答が割れた。
■大震災への備え「防災グッズ」54%、地域差も
自身の生活の中で大震災への備えをしているものを六つの選択肢から複数回答で選んでもらったところでは、過半数の54%が「防災グッズ(保存食や水を含む)」、半数近い48%が「近所の避難所・避難場所の確認」と回答。以下、「地震保険への加入」34%・「緊急時の家族との連絡方法」30%・「緊急時に持ち出す貴重品袋」25%・「防災訓練への参加」13%となった。「何もしていない」との回答が16%あった。
大震災への備えについては、衆院比例ブロック別と年代別のデータをグラフ化した。地域的には東京を除く関東と東海、四国で防災意識が比較的高い傾向がうかがわれる。首都圏直下型地震や東南海地震の危険が指摘されてきた影響だろうか。年代別では年齢が上がるほど大震災への備えに気を配る人が増える傾向にある。
■世論調査の新たなスタンダード:dサーベイ
dサーベイは、NTTドコモのdポイントクラブ会員を対象としたアンケートサービスを使用するインターネット調査で、SSRCがNTTドコモの協力を得て開発した。全国約6500万人の母集団(18歳以上)から無作為に抽出した方々にメールで回答を依頼し、応じてくれた方にはスマートフォンの画面で質問に答えてもらう。今回は1月21日午前9時からメールを配信し、2052人から有効回答を得た。
dポイントクラブの会員にはNTTドコモ以外の携帯キャリアユーザーも含まれ、日本の有権者の6割以上を母集団としてランダムサンプリング(無作為抽出)調査ができるのがdサーベイの特徴だ。SSRCは2021年衆院選、22年参院選、23年統一地方選など各種の選挙調査で蓄積したデータを解析し、地域・性・年代別の人口構成に合わせてメール配信数を設計する「配信設計モデル」を構築。内閣支持率など有権者の政治意識を定期的に探る世論調査の新たなスタンダードになり得ると考え、2022年10月から毎月定例のdサーベイ全国世論調査を実施している。
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