神韻堺公演が満場で閉幕 観客「ねじ伏せられようとも続くべき伝統」

2024/01/15
更新: 2024/10/11

14日、日本を巡回公演中の神韻芸術団が、大阪府のフェニーチェ堺での2回目の公演を行った。ニューヨークを拠点とする神韻芸術団は、中国で失われた伝統文化の復興を掲げ、世界各国の劇場で上演している。世界最高峰の中国古典舞踊を届ける夢の舞台に、満場となった劇場から賞賛の声が届いた。

経営者「伝統文化、人類の基本を守り続けてもらいたい」

2024年1月14日午後、ロータリークラブ会員でシステム開発会社の経営者の金岡秀司さんが、大阪府のフェニーチェ堺での神韻ニューヨーク芸術団の第二回公演を鑑賞した。(藤野偉/大紀元)

この日、システム開発会社の経営者でロータリークラブ会員の金岡秀司さんが公演を鑑賞した。「とにかく感動しました。背景も良かったし、日本では考えられない踊りで、素晴らしかったです」と絶賛した。

「中国五千年の歴史にびっくりです。継続してもらいたいと思います」と語り、中国伝統文化の真髄を芸術表現で伝える神韻の取り組みを支持した。

「伝統文化は人間である誇りを忘れないことに役立っていると思います。何でも近代化で、人工知能(AI)もいいけれど、ちょっと心配ですね。私もコンピューターやっているんですけど、伝統文化を大事にしないとね」

神韻は、古典舞踊や舞踊劇、オリジナル歌曲の独唱、中国楽器の独奏など、約20の演目から構成され、絵巻物のような世界に観客を誘う。神が伝えたとされる悠久の文化や歴史を伝えるだけでなく、伝統や道徳が失われた現代中国にも光を当てる。金岡さんは、「今の中国には人権も選挙もなくて、僕たちには理解できない。悲しいね。日本も中国の偉大な文化に影響を受けているけど、僕たちには今の中国の政治体制は理解できない」と憂いた。

2006年にニューヨークで設立された神韻は、今では8つの同規模の芸術団を抱え、それぞれが世界ツアーを行っている。昨シーズンには24か国の200近い都市をめぐり、数々の世界トップレベルの劇場で満員の大盛況を記録した。しかし、中国本土で上演することはできない。

「本当に大変だと思うけど、頑張ってください。祈ってますよ」と、金岡さんは勇気ある神韻の取り組みにエールを送った。「とにかく伝統文化というかね、人類本来の基本というかね、これを守り続けてもらいたいですね」

バレエダンサー「ねじ伏せられようとも続くべき伝統」

2024年1月14日午後、バレエダンサーの荒川紗有さんが、大阪府のフェニーチェ堺での神韻ニューヨーク芸術団の第二回公演を鑑賞した。(任子慧/大紀元)

この日、バレエダンサーの荒川紗有さんが公演を鑑賞した。「最初はバレエが中心となっている芸術団なのかと思ったんですが、見ていくうちに、中国の伝統舞踊から派生してきて生まれた技が多く、非常に独特なものを感じたので、インスピレーションを受けました」と語った。

「神韻じゃないとできない技、パフォーマンス、ダンスだと思いました。非常に訓練と鍛錬を積まれて、体の限界、心の限界にチャレンジしているのだなと感じました」

鍛え抜かれた舞踊から、演者の想いが伝わってきたという。「中国にルーツを持つ方々だと思うんですけれども、自分たちの国や伝統について伝えたいという想いがダンスに非常に表れていたので、そういうものを心で見て感じました」

ソプラノ歌手が歌うオリジナル歌曲には、人の善性を喚び起こすメッセージ性が強く込められている。「ソプラノ歌手の方の歌声も素晴らしかったんですけれども、選曲された歌が宗教的なものを含んでいらっしゃったんですよね。そういうものを歌って日本や世界の方に伝えるという心の持ち方と歌い方がすごく繊細で良かったです。輪廻転生や神の救いというのは、非常に日本と共通するものを感じました」と荒川さんは語った。

現代劇の演目では、中国の精神的伝統を受け継ぐ法輪功の学習者が「真善忍」と書かれた横断幕を掲げる。法輪功は、真善忍の理念に則して心と体を鍛える精神修養法だが、中国では独裁者がその人気を恐れたため、20年以上にわたり弾圧政策が続いている。荒川さんは、「力でねじ伏せられようとも、自らの力で何回も三文字の言葉を掲げていて、非常に印象的でした」と語った。

「宗教的背景とか政治的背景を演目の中に入れてパフォーマンスをしているので、自国ではできないと思うんですけど、やはり絶対続けていくべきだろうし、どんな権力にねじ伏せられても続けていくべき伝統だと、強く感じました」と神韻の芸術的信念を讃えた。

神韻2024日本公演は、2023年12月22日から2024年2月16日にかけて、全国12会場で42公演を挙行する。公演のチケットはチケットセンター(0120-91-8487、午前10時〜午後6時)のほか、公式ホームページから購入することができる。チケットぴあや楽天チケット等、大手チケット予約サービスでも取り扱いがある。

大紀元は神韻芸術団の後援として、2006年の芸術団創設以来、観客の声を伝えています。

大紀元報道記者。東京を拠点に活動。