【全文】台湾・頼清徳次期総統勝利演説 中共の武力を前に「台湾守り抜く」

2024/01/13
更新: 2024/01/13

13日に行われた台湾総統選では、民進党の頼清徳・蕭美琴ペアが次期総統・副総統として選出された。頼清徳氏はメディアを前に勝利演説を行い、中国共産党の脅威に対抗し台湾を守り抜く決意を改めて示した。台湾人は外国勢力による介入を跳ね除けたとし、台湾総統選は「世界の民主主義陣営の勝利」であると強調した。

以下は、頼清徳次期総統の勝利演説の全文である。

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【全文】台湾・頼清徳総統勝利演説

国内外のメディアの皆さん。こんばんは。お待たせいたしました。中華民国の第16代総統・副総統、そして第11回立法委員選挙は本日、無事終了しました。

台湾の人々が民主政の新しい1ページを描き出し、そして民主政の大切さを全世界に示したことに、感謝の意を表します。これは私たちの揺るぎない決意です。

先ほど二人の候補者から、当選のお祝いを受けました。彼らに感謝します。同時に、彼らの政党が選挙で議席を獲得したことを祝福いたします。これから、共に力を合わせていきたいと思います。

2024年の「選挙イヤー」で最も注目を浴びている最初の選挙において、台湾は民主主義陣営にとって初となる勝利を納めました。この勝利には、3つの意義があります。

一つ目は、台湾は全世界に対し、民主主義と権威主義の間において、台湾は民主主義の側に立つことを選択したと発信しました。中華民国台湾は、これからも民主主義の同志国と共に歩んでいきます。

二つ目は、台湾人は自らの行動でもって、外部勢力の介入を跳ね除けました。私たちは、総統を選ぶ権利は、私たち自身にあると信じています。

三つ目は、3組の総統・副総統ペアのなかで、頼清徳と蕭美琴のペアが選ばれたということです。こうして、国家は正しい道を歩み、未来志向で前進していくができるのです。

蔡英文総統とそのチームによる過去8年間の努力に感謝します。彼女達は台湾の改革と発展のために必要な礎を築き上げました。頼清徳と蕭美琴のペアは、蔡英文政権の遺産を糧に、国家のさらなる発展と、人々のより良い生活を目指していきます。

しかし、議会の選挙では、民進党が過半数を維持することはできませんでした。私たちの努力不足であり、深く反省しなければなりません。

選挙結果からは、人々は有力な政府と、有効なチェック・アンド・バランスを求めていることがわかります。このような民意に対して、私たちは十分に理解し、完全に尊重します。

新たな議会構造を前に、台湾では交流と協調、共同参画、合作に基づく政治が求められています。私は二人の競争相手の政治的主張を深く研究し、国家の発展と人々の利益に叶うものであれば、須く施政方針に追加したいと思います。

さらに、今後の人事については、民主の大連盟の精神をもとに、才能に基づいて人材を選抜し、党派を問いません。国家の発展のため、各業界からの人材の推薦も歓迎します。

将来の政治において、各党派の意見の一致を見せる議題については優先的に実行し、意見の分岐がある、または時間的余裕がある議題については、引き続き議論を続けていきたいと思います。

四つ目は、労働保険・健康保険の財政的持続性といった解決を要する議題については、話し合いの場を設け、幅広い議論を呼び起こし、党派を超えた意見を伺い、社会的なコンセンサスを得られるよう尽力します。

台湾海峡の平和と安定を維持することは、総統としての重要な使命です。中華民国の立憲体制に基づき、現状維持に努めます。対等で尊厳のある立場を前提に、封じ込めではなく交流、対抗ではなく対話を行うことで、自信を持って中国と交流と協調を展開し、台湾海峡両岸の人々の福祉向上に努め、平和と共栄という目標を達成したいと思います。しかし、中国による言葉での攻撃と武力による威嚇を前に、私は台湾を守り抜く決心を持っています。

頼清徳と蕭美琴のペアを選んでいただきありがとうございます。有権者の期待に応えられるよう、尽力していきます。

選挙は終わりました。選挙戦における衝突と感情の昂りもここまでにしましょう。2300万の台湾人は同じ大家族のようです。皆で手を取り合い、国家を発展させていきましょう。

ありがとうございました。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。