米国防総省によると、23日、インド洋を航行中の化学タンカーがイランから発射された無人機の攻撃を受けた。先月も日本企業が運航する貨物船が乗っ取られる事件が発生しており、イスラエルとハマスの戦争開始以降、紅海を通る商業船へのリスクが急拡大している。
同省報道官によれば、攻撃を受けたのは、リベリア船籍で日本企業が所有し、オランダ企業が運航する化学タンカー「CHEM PLUTO」。同船はインド沖合370キロメートルを航行中だった。
同船は攻撃を受けたものの、乗組員に死傷者は出ず、船上の火災も鎮火した。無人機は、目標に衝突するよう設計されていたという。
米紙ウォールストリート・ジャーナルによれば、このオランダ企業は、イスラエルの海運実業家とつながりがある。
報道官は「米海軍の艦船は現場近くにはいなかった」と述べ、中央軍海軍部隊が被害船と継続的に連絡を取っていると付け加えた。
米国インド沿岸警備隊は、同船には乗組員21人が乗船しており、「ムンバイに向けて航行を開始した」とSNSに投稿した。
イスラエルと武装組織ハマスの戦争が10月7日に開始して以降、イエメンのイラン支援フーシ派による無人機攻撃が紅海を通る航路で相次いでいる。11月には日本企業が運航する貨物船を乗っ取られる事件が発生した。
治安悪化を受けて、海運や石油大手各社の見直しを発表。多くは紅海の通過を避け、アフリカ南端の喜望峰を回るルートへの変更を余儀なくされ、コスト増による国際的な経済負担増加につながる恐れがある。
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