安価な火葬は実際に誰の遺灰だかわからない 格差拡がる現代中国火葬事情

2023/12/24
更新: 2023/12/24

最近、河北省唐山市のある葬儀社が火葬を高級と低級に分けていた事がネットユーザーの関心を集め、熱い議論を呼んでいる。

ネットで拡散している動画では、葬儀場の壁には「唐山市豊倫区燕山陵の紹介」「豊倫区葬儀場の業務フロー図」「高級火葬炉遺骨受取所」「低級遺骨受取所」などの看板がかけられている。 ネットユーザーは「火葬場さえも高級と低級に分かれているのか」と疑問を呈した。

火葬場の関係者によると、高級炉は低級炉より豪華で、費用は比較的高いという。

12月20日、唐山市民政局の従業員は中国メディアに対して、例の看板は数年前から設置されていた古いものだとし、動画が流出した後、看板は撤去されたと語った。

動画はネットユーザーの間で物議を醸し出した。多くのネットユーザーは、「私の出身県も同じだ。高級火葬炉は自分で入って、遺骨を拾い上げることがができ、低級の場合、小さな窓口から直接遺骨を渡されるだけで、それが実際に誰の遺骨であるかどうかわからない」とコメントした。

別のユーザーは自分の親族が亡くなった際のことを話した。

「普通の火葬炉を選んだが、火葬前に家族が火葬炉の近くに行くことは許されず、外からガラス越しにちょっと見るだけで、すぐにカーテンが閉められた。さらに、遺骨は従業員によって用意されたもので、家族は(本当に自分の家族の骨なのか)疑問視している」

「葬儀サービスは利用者に対して手頃でアクセスしやすいものであるべきだ。金儲けのためのものではない。こんなやり方がまかり通るなんて、死さえ平等ではなくなっている」

業者が遺灰を紛失したと言い、新しい遺骨を出してきた?!

先日、河南省鄭州市のある女性は遺灰を預けていた葬儀社から父親の遺灰を紛失したと聞かされた。この葬儀社の大失態にネットユーザーの間で激しい議論が巻き起こった。

鄭州市の樊さんの父親は10年前に亡くなったが、遺骨は市内の葬儀社に保管されていた。そして今年11月19日に祖父が亡くなった後、合祀のために、父親の遺灰を取りに行ったが、葬儀社から「遺灰はなくなっている」と言われた。 現在、父親の遺灰が保管されていた棚は空になっている。

葬儀社は樊さんに、遺骨を保管する部屋は2020年頃に変更されたので、父親の遺灰は引っ越しの際に紛失した可能性があると説明し、新しい骨壷を出してきて「父のものだ」と言い渡してきた。それを聞いた樊さんの母親は心臓発作を起こしたという。

ネットユーザーからは強い非難の声が上がっている。

「このような過ちは許されない。他人に与えるダメージは計り知れない!一生消えることのない傷だ」

「もしかして、毎日、何体かの遺体をまとめて火葬して、(誰のものともわからない)灰を適当にとって骨壺に入れているのではないか?」

李浄