不法移民問題が深刻化する米テキサス州は19日、不法入国した移民を初めて飛行機でシカゴに送ったと発表した。「移民を歓迎する」としているシカゴが、これまで移民移送に使っていたバスを押収したためだとしている。
米国への不法移民を即時送還する法的措置「タイトル42」が廃止されたことを受け、メキシコと国境を接するテキサス州は、これまでも不法移民に寛容な聖域都市の首都ワシントンやシカゴなどに越境者を送る対策を講じてきた。
テキサス州のアボット知事の広報担当アンドリュー・マハレリス氏によれば、テキサス州は今回エルパソからシカゴまで移民120人以上を飛行機で移送したという。
マハレリス氏はXでその理由を「シカゴが市の『歓迎都市』条例を遵守していないからだ」とした。「シカゴ市長はほぼ毎日、アボット知事が移民を聖域都市にバスで送ることを攻撃している。しかし、彼の選挙サイトには両手を広げて移民を歓迎すると約束しているではないか」と述べた。
アボット氏もXで「バイデン氏が国境の安全確保に乗り出すまで、私たちは疲弊したテキサス州の国境に必要な救済を提供し続ける」と強調した。
バイデン政権の国境開放政策を受けて、テキサス州は2021年から国境対策「ローンスター作戦」を実施している。アボット氏の15日付の声明によると、この対策のもと48万9500人以上の不法移民を拘束したほか、3万7500人以上の犯罪者を逮捕した。
テキサス州では18日、州機関による不法移民の逮捕や国外退去命令を可能にする法案が成立している。
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