中国の「城管」とは城市管理、つまり市内秩序の管理を任務とする公的な役職である。
無許可の路上販売などを取り締まることが、彼らの主な任務である。ところが、その実態は「制服を着た反社集団」といってもよいほど横暴を極め、すさまじい庶民いじめが日常的に行われている。
さらに、役目にかこつけて恣意的に罰金を科したり、店の商品を奪い取っていくさまは、街中を闊歩する強盗団に他ならない。罰金として徴集した金銭や奪った商品は、もちろん彼らが着服する。
今月11日、雲南省曲靖市で新たに開業したケーキ店がお祝いの「花かご」を数個、店の入り口に置いた。
ところが、この「花かご」に目をつけた「城管」が、ケーキ店の店主に罰金200元(約4千円)を科した。「花かごを歩道に置いた。これは、歩道で営業活動を行ったことになる」。それが「城管」の主張だった。
店主は「(城管から)もし罰金を払わなければ、花かごを没収すると言われた。花かごは、いずれも友人から贈られたもので、数百元もするものだ」という。没収か罰金かの選択を迫られて、不本意ながら罰金を払うことにしたという。
罰金を取られたケーキ店の女性店主・符さんは、中国メディアに対し「この土地では昔から、新たに開業する店はお祝いの花かごを店前におく習慣がある。しかし、それが原因で罰金を科されたという話は、聞いたことがない」と訴える。
符さんが「なぜ今までは、そのような罰則がなかったのか」と問うと、城管の側は、このような規定は「最近になって始めた」と答えたという。
「そういう決まりができたのなら、なぜ地元の店に知らせないのか」と、この女性店主は納得できなかったが、城管はそれ以上取り合わなかった。
この前代未聞の罰金事件をうけ、ネット上では「やり方が汚すぎる」「どれだけ(城管は)金欠なのか」といった非難が殺到した。
なかには「これで城管たちの今年の年末ボーナスが出たね」などの皮肉も寄せられている。
後に、中国メディアの記者が、同市を所轄する現地の政府機関に問い合わせたところ「新たに開業する店が花かごを置きたい場合は、事前に報告をし、城管の許可を取らなければならない。許可があれば、一定期間は置くことができる」と回答した。
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