米国のリック・スコット上院議員は6日、中国からの輸入ニンニクが強制労働により人糞や下水で栽培しているとして、食品安全上の懸念から商務省に調査を要請した。
スコット氏はジーナ・レモンド米商務長官に宛てた書簡で、国家安全保障や公衆衛生の観点から共産主義中国から輸入する全種類のニンニクが「米国に脅威をもたらす恐れがある」として、1962年貿易拡大法の第232条に基づき調査を行うよう求めた。
雑誌やYouTubeでは、中国での不衛生なニンニク栽培方法が掲載されている。スコット氏はこれらの有害行為とされる行為には「人間の糞便や下水をニンニクの肥料にすること、下水でニンニクを栽培すること、不衛生な環境で生育したニンニクをより白くよりきれいに見えるように漂白すること」が含まれるとした。
また「米国市場に輸出する際には、土壌伝染性の病気や汚染物質の予防に関する米国の法律に準拠するため、ニンニクの根を取り除いている」とも指摘した。
スコット氏は中国産ニンニク問題に対処するため、「汚水ニンニク輸入法案」と「汚水ニンニク輸入関税法案」を提出する予定だ。
エポックタイムズは商務省にコメントを求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。
中国産ニンニク
1994年以来、中国から輸入される生鮮ニンニクはアンチダンピング関税の対象となっている。この制限は、生鮮ニンニク生産者協会による申し立て後に課された。米国国際貿易委員会(USITC)は、輸入ニンニクが市場価格より安く販売され、米国のニンニク産業に打撃を与えていると結論づけた。現在、この農産物に対するアンチダンピング関税率は25%である。
また、中国は世界最大のニンニク生産国であり、輸出国でもある。USITCのデータによると、2021年には市場シェアの80%を占めた。また、米国における2021年の中国からのニンニク輸入は、米国のニンニク輸入全体の44%を占めていた。
中国の食品安全性
米国議会調査局の報告書は、中国からの輸入食品は「重大な懸念事項」だと指摘した。偽の肉や魚製品、異物混入の果物や野菜製品、違法な食用油、汚染された加工食品、スパイス、ハーブ、蒸留酒、ペット用おやつなど、複数の食品安全スキャンダルが報告されている。
米国農務省(USDA)によれば、中国産食品で最も多く報告されている安全違反は、農薬と病原菌の混入だという。
また、食品医薬品局(FDA)は中国からの様々な製品、主に魚介類と一部の青果物に対して「輸入警告」を出している。さらに米国農務省は、中国からの特定の肉と魚の出荷を禁じている。
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