北京へ陳情したワクチン被害児童の親に「懲役4年」の重い判決=中国 河北

2023/12/16
更新: 2023/12/16

このほど、接種したポリオワクチンにより、息子が重篤な健康被害を受けたことで陳情を行った母親、賈小玉さんに対し「懲役4年」の重い判決が下されたことがわかった。

陳情民に対して「懲役4年」は、これまでにない重刑である。今回「陳情民に対する重刑」という判例を作った中国共産党に対して、ネット上では「最大の悪は公権力だ」といった糾弾の声が広がっている。

中国の人権問題を扱うサイト「維権網」(12月3日付)によると、今年2月1日、河北省に住む賈さんは息子の治療費や生活保障を求めて、北京にある「国家信訪局(陳情局)」へ出向いた。

ところが、陳情局を出た後、地元当局(河北省保定市順平県)の公安要員によって暴力的に取り押さえられ、地元へ連れ戻された。

賈さんは地元警察によって3回続けて拘留された。その後、逮捕されて、10か月間におよぶ身柄拘束を受ける。さらに11月27日に、地元裁判所から「懲役4年」の判決が下されたという。

なお、懲役4年となった賈さんの「罪名」は明らかではない。陳情すること自体は、全く合法的な権利である。つまり、明確な罪状もなく、極めて恣意的に「懲役4年」が下されたものとみられるのだ。

そうしたことから「維権網」は、次のように指摘する。

「中共当局は、この件を見せしめにして、ワクチン被害児童の親グループを威嚇し、弾圧している。中国において、法律は、もはや当局が陳情民を処罰するための道具に成り下がっている」

2016年7月、賈小玉さんの生後2か月半の息子であった賈耀傑くんは、ポリオワクチンを接種した後、身体と知能に重度の障害を負い、他人とコミュニケーションをとることも、母親を呼ぶこともできなくなった。

 

「私の兄は、ワクチン接種受けて障害を負いました、母親は、陳情して4年の懲役を言い渡されました。保定順平裁判所は不当な判決を下したのです、私は母の無実を訴えます」と書かれた段ボールを首から下げた女の子。その文言からして、賈小玉さんの娘とみられる。(SNSより)
李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。