このほど、接種したポリオワクチンにより、息子が重篤な健康被害を受けたことで陳情を行った母親、賈小玉さんに対し「懲役4年」の重い判決が下されたことがわかった。
陳情民に対して「懲役4年」は、これまでにない重刑である。今回「陳情民に対する重刑」という判例を作った中国共産党に対して、ネット上では「最大の悪は公権力だ」といった糾弾の声が広がっている。
中国の人権問題を扱うサイト「維権網」(12月3日付)によると、今年2月1日、河北省に住む賈さんは息子の治療費や生活保障を求めて、北京にある「国家信訪局(陳情局)」へ出向いた。
ところが、陳情局を出た後、地元当局(河北省保定市順平県)の公安要員によって暴力的に取り押さえられ、地元へ連れ戻された。
賈さんは地元警察によって3回続けて拘留された。その後、逮捕されて、10か月間におよぶ身柄拘束を受ける。さらに11月27日に、地元裁判所から「懲役4年」の判決が下されたという。
なお、懲役4年となった賈さんの「罪名」は明らかではない。陳情すること自体は、全く合法的な権利である。つまり、明確な罪状もなく、極めて恣意的に「懲役4年」が下されたものとみられるのだ。
そうしたことから「維権網」は、次のように指摘する。
「中共当局は、この件を見せしめにして、ワクチン被害児童の親グループを威嚇し、弾圧している。中国において、法律は、もはや当局が陳情民を処罰するための道具に成り下がっている」
2016年7月、賈小玉さんの生後2か月半の息子であった賈耀傑くんは、ポリオワクチンを接種した後、身体と知能に重度の障害を負い、他人とコミュニケーションをとることも、母親を呼ぶこともできなくなった。
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