このごろ、築9年で「危険建築物」となった集合住宅にすむ住民が被った「災難」の話題が、世論の注目を集めている。
地盤沈下などにより、黒竜江省綏化市にある築9年の集合住宅「明水県和諧家園小区」は2019年、4段階あるなかで最も危険レベルである「D級」の「危険建築物」と認定された。
転居を余儀なくされた331世帯の住民や入居テナントは、4年経った現在も、もとの家に帰れないでいる。
このごろ「4年経った今でも、危険な建築物となった住宅ビルがいつ取り壊され、いつ再建されるのか、明確なスケジュールすらない」と訴える住民が相次ぎ、世論の注目を集めた。
中国メディアの取材に応じた複数の近隣住民によると、この住宅の品質問題について「危険な建築物と認定される2年前から、すでに問題が露呈し始めていた」という。
現在、転居を余儀なくされた住民には、地元政府から年間4800元(約10万円)の臨時の「手当て」が支払われている。しかし、付近の賃貸住宅の家賃は平均でも年間6千元~8千元(約12万~16万円)かかるため、政府からの補助金では家賃を賄えないのが現状だという。
住民のほかに、この集合住宅には、店舗など80以上もテナントが入居していた。しかし、住民によると「テナントのほうは、補助金を2年以上支給されていない」という。
ネット上では、手抜き工事である「おから工事」を譴責する声が広がっている。こうした世論の圧力を受けて、この件にようやく「少し進展があった」ようだ。
住民の一人、許坤さんは「今月末には取り壊しが始まると聞いて、ようやく少し希望が見えてきた。4800元の手当も支払われた」「私たち住民は一刻も早い取り壊しと、新居への引っ越しを願っている」と語った。黒竜江省は、これから零下数十度の厳冬期を迎える。
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